この度、arxivに「Effect of constraint and Tabu Search term on Variational Quantum Eigensolver and Subspace-Search Variational Quantum Eigensolver」というタイトルで論文を投稿させて頂きました。もう一方との共著です。我々は、Subspace-Search VQE(SSVQE)法における計算反復回数が、Tabu項を導入することで減少することを確認しました。Tabu項とは、一部の結果が出ないように評価関数にタブー項を仕込み、特定の解に近づくにつれてその値が大きくなるようにするものです。これは量子アニーリングなどの離散値が回となる最適化問題に適応されてきましたが[1]、連続値が解となる問題にも適用可能です。束縛条件とこれをSSVQEにおける評価関数に組み込んだ結果、水素分子とヘリウム水素分子の両方で計算収束までの計算反復回数の明らかな減少が見られました。今後は、4状態同時に計算する場合への適用、また、Tabu項の決め方を工夫し、厳密解により精度良くたどり着けるようにすることが今後の課題です。 論文url:https://arxiv.org/abs/2103.12574 [1] C. Moussa, H. Wang, H. Calandra, T. B¨ack, and V. Dunjko, arXiv e-prints , arXiv:2011.09508 (2020), arXiv:2011.09508 [quant-ph]

論文投稿のお知らせ

Hikaru Wakaura