Quantum Business Magazine

Quantum Catalyzer(Q-Cat)を発足、量子スタートアップの創出・育成を目指す

Quantum Business Magazine 6 months ago


 アカデミックな研究室で積み上げられた技術があり、そこの研究者は、その技術が実世界の問題に適用され、商業的な利益をもたらすことを知らないことがある。Quantum Catalyzer(Q-Cat)が行っているのは、こうした技術の探索と、その技術を事業化する新しいスタートアップを創出・支援することだ。化学界から言葉を借りるなら、彼らは量子関連技術を探し、それを必要とするアプリケーションやユーザーを見つけ、その2つを混ぜ合わせることで新しいソリューションを市場に送り出す新会社を作る「触媒」になると考えている。


 Q-Catは、テクノロジーインキュベータとはアプローチが違うことを強調する。明確な違いは、起業家志望者がQ-Catに応募できないこと。つまり、研究室にある技術を探し出し、それを事業化するための新会社を設立できるよう、研究者を説得するのがQ-Catの仕事だと考えている。その結果、Q-Catは最も早い段階から企業との関わりを持つこととなり、Q-Catは、会社設立、法律、銀行、IP保護、事業開発、ネットワーク、ラボスペース、人材の発掘など、研究者が馴染みのない、ビジネスを成功させるために重要な事柄について、多くのサポートを提供する予定だ。目標は、研究者が最も得意とする技術開発を継続させ、Q-Catが商業企業に必要な他の多くの事柄を支援すること。これらのサービスを提供するために、Q-Catは会社設立時に10%の株式を取得することにしている。


 Q-Catの主要な創設者は、メリーランド大学のRonald Walsworth教授。Walsworth教授をはじめとするQ-Catのメンバーは、量子テクノロジー、ビジネスオペレーション、スタートアップに関する豊富な経験を持つ。また、技術やビジネスに関する強力なネットワークを持ち、まわりの会社に紹介することで、新会社の歩みを支援するという。Q-Catの運営は、ベンチャーキャピタルのQuantonationとTDF Venturesが支援している。これらのベンチャー企業も、新しいスタートアップ企業をじっくりと見て投資をする機会はあるが、それを強制されることはない。投資家や他の潜在的な投資家にとっての利点は、Q-Catが研究者と協力して会社を設立することを決定した時点で、技術的および市場的デューデリジェンスのかなりの部分を、すでにQ-Catにより行われているため、投資判断の負担を大幅に低減することができる点である。


 Q-Catは、量子イメージング、量子計測器、量子センサー、量子機械学習などの分野で活躍する4つの量子企業をすでに誕生させている。これらの初期企業は、いずれもQ-Catのあるメリーランド州カレッジパークに所在する地元企業だ。Q-Catは、経験を積むにつれて、他の地域の企業との取引も開始していくという。


 Q-Catの詳細については、同社発表のプレスリリース を参照してほしい。

Quantum Business Magazine

@qbm

米国のQuantumComputingReportからの翻訳記事にオリジナルの量子業界の記事を加えてお届けしています。

quantumbizmag

© 2022, blueqat Inc. All rights reserved