Quantum Business Magazine

PsiQuantum社、シリーズDの資金調達で4億5000万ドル(約510億円)を調達

Quantum Business Magazine a year ago


今回のラウンドでは、Blackrock社が運用するファンドとアカウントがリードし、既存の投資家であるBaillie Gifford社とM12(Microsoftのベンチャーファンド)、そして新たな投資家であるBlackbird Ventures社、およびTemasek社が参加した。これによりこれまでの資金調達総額は、6億6500万ドル(約753億円)となり、企業評価額は、31億5000万ドル(約3566億円)と報告されている。


PsiQuantum社は、光量子ビット技術を用いて、10年後の半ばまでに100万物理量子ビットの、エラー訂正型量子コンピュータを構築するという目標を掲げている。他の多くの量子ハードウェア企業とは異なり、NISQの時代をスキップして、完全にエラー訂正されたマシンを直接目指している。PsiQuantumが、もしこのマイルストーンを達成すれば、IBMやGoogleといった他の量子プロバイダーが、10年の終わりまでに100万量子ビットを達成することを目標としているのに比べ、かなり優位に立つことになるだろう。


同社は現在、150名の従業員を擁し、チップの製造を担当する半導体製造企業のGlobalFoundries社と提携している。これにより、自社で工場を建設したり、大学の研究施設に頼ったりするのではなく、大量生産の半導体製造パートナーを活用することで、数十年にわたる半導体製造の経験を活かし、開発を加速できると考えているからだ。ハードウェアのスタートアップ企業が直面する課題の一つは、いかに完全なソリューションを顧客に提供できるかということだろう。


顧客にとって商業的に価値ある企業になるには、ソフトウェア、ライブラリ、クラウドサービス、アプリケーションエンジニアリングなど、フルスタックのサービスを用意する必要がある。これは、IBM、マイクロソフト、グーグルなどの老舗企業が持っている優位性だ。彼らは、ソフトウェアの提供方法、顧客へのコンサルティングサービス、信頼性の高いオペレーションを提供するデータセンターの維持(24時間365日)、そして最も重要な、すでに何十年にもわたる世界中の顧客との関係を築いている。


PsiQuantumは、この分野での計画を明らかにしていないが、おそらく4億5000万ドルの資金の一部がこれらの補完的能力の開発に使われるだろう。ここで押さえておきたいのは、Microsoftのベンチャーキャピタル部門M12が、彼らの投資家の一人であることだ。そのため、Microsoftと提携し、彼らのQuantum Development KitやQ#ソフトウェアを他の資産とともに利用することで、同社がGlobalFoundriesと提携し、自社チップを製造しているように、商用化活動を加速することが可能かもしれない。PsiQuantum社の資金調達の発表については、同社のウェブサイトで公開されているニュースリリースを参照。


※参考

◆PsiQuantum社 HP

https://psiquantum.com/


◆ニュースリリース

https://psiquantum.com/news/psiquantum-closes-450-million-funding-round-to-build-the-worlds-first-commercially-viable-quantum-computer


Quantum Business Magazine

@qbm

米国のQuantumComputingReportからの翻訳記事にオリジナルの量子業界の記事を加えてお届けしています。

quantumbizmag

© 2022, blueqat Inc. All rights reserved