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レポート:12月発表の研究論文 Software編

Quantum Business Magazine a year ago


By Dr. Chris Mansell


過去1ヶ月間に発表された量子コンピューティングと量子通信に関する興味深い研究論文の概要を紹介します。



Title: 学習課題における量子化と量子的優位性の再検討(Revisiting dequantization and quantum advantage in learning tasks)

Organizations: Caltech; Google; Harvard; Black Hole Initiative


量子コンピュータはとても複雑なトピックであり、これだけ研究が盛んに行われているにも関わらず、まだまだ基礎的な問題が残っているままだ。量子と古典のアルゴリズムの比較については、最近ようやく解明されてきたところである。例えば主成分分析について。量子アルゴリズムは、量子状態を入力とし、測定データにアクセスする古典アルゴリズムに対し指数関数的な優位性を持っている。しかし、古典アルゴリズムが、量子状態を記述するベクトルに、サンプルとクエリでアクセスする場合にはこの限りではない。本論文では、データのアクセス方法に着目し、著者らは、これらの比較に必要な明瞭性を得たことを報告した。この成果は、量子の優位性を分かりやすくするのに役立ちそうだ。


Link: https://arxiv.org/abs/2112.00811



Title: PenyLaneによる微分可能な量子化学計算(Differentiable quantum computational chemistry with PennyLane)

Organizations: Xanadu; University of Toronto; AWS; Vector Institute for Artificial Intelligence; Harvard; Canadian Institute for Advanced Research


複雑な処理をライブラリ化しそれを使用することで、プログラマーは細かい部分を任せて、高度な技術を利用することが可能となる。最近では、自動微分のライブラリがあり、機械学習のための数学的前提条件などの難解な部分を隠蔽してくれている。本論文ではPennyLaneと呼ばれるPythonのライブラリが、量子コンピュータのコーダー(特に量子機械学習と量子化学のインターフェースに関わる人)に、このような機能を提供することを説明している。分子の基底状態エネルギーを計算するための量子回路は、多くの場合、可変パラメータで設計されている。この回路は、ニューラルネットワークが重みを基準にして微分できるように、自由変数で微分することができる。PennyLaneは、益々機能は強力になり、シンプルなユーザーインタフェースの提供により量子化学の発展に貢献している。


Link: https://arxiv.org/abs/2111.09967



Title: ラムゼイ干渉計と原子時計の量子変分的最適化(Quantum Variational Optimization of Ramsey Interferometry and Atomic Clocks)

Organizations: University of Innsbruck; Institute for Quantum Optics and Quantum Information of the Austrian Academy of Sciences; Leibniz University Hannover


制約によって成功は制限されるものだ。計測に関しては、システムがエンタングルメントを使用できるなら、達成可能なS/N比の限界は高くなる。測定する値が安定しているならば、GHZ状態(量子もつれの状態)が最適であることが知られているが、ここで著者らは、変動する変数を単発の測定で決定するという、より困難な課題について考察している。幾つかの低深度変分量子回路の古典シミュレーションと最適化を行い、限界に近づく性能を見出した。数か月前のプレプリントでは、26個のトラップされたイオンでこの研究を実装し、古典的な干渉計より2dB高い利得を実証している。最終的には、可変量子回路と精密測定のプロトコルを組み合わせるというアイデアは、最先端の原子時計にも適用できる有益なものとなるだろう。


Link: https://journals.aps.org/prx/abstract/10.1103/PhysRevX.11.041045

Related hardware preprint link: https://arxiv.org/abs/2107.01860



Title: 量子コンピュータの能力測定(Measuring the Capabilities of Quantum Computers)

Organizations: Sandia National Laboratories


ベンチマークを行うことで、量子コンピュータの利用者は、あるデバイスが望むアプリケーションを実行可能かどうかを知ることができる。例えばIBMの量子ボリューム測定は、特定のユニタリーが可能かどうかを明確にし、Googleの交差エントロピーは、特定の分布からサンプリングすることの難度について結論を出す。量子回路については、ランダムな回路を試すベンチマークが主だが、本論文が指摘しているのは、このアプローチはスケーリングが悪く、本源的なコヒーレントノイズに鈍感であるということだ。著者らは、スケーラブルに2つの相互作用を調査する方法を生み出した。それは、選択されたプロトコルの回路構造と、与えられた量子プロセッサが経験するノイズ構造の間についてである。彼らの新しいベンチマーク手法を使用して、RigettiとIBMのマシンについて、興味深い結論に達している。


Link: https://www.nature.com/articles/s41567-021-01409-7




(翻訳:Hideki Hayashi)

提供:Quantum Computing Report


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