18回目、堀田昌寛さんの
「入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として」
を読んでいきます。
chap 6.3 Steinspring表現からです。
密度行列に対する、物理的に可能なあらゆる操作を施し、新しい密度行列を得ることを、量子チャネルと呼びます。
では、物理的に可能な操作、量子力学的に自然な操作には一体何を採用すべきでしょうか、一体何があるでしょうか。
これは量子力学の原理として何が自然か、逆に自然は何を選んでいるか、という問いの一つでもあります。
量子チャネルは数学的には密度行列へのTPCP写像であることがとても自然です。
ある写像がTPCP性を満たすとは、量子チャネルを通したときのアフィン性(確率の混合の保存)、トレース(確率)の保存、
量子チャネルと外部の恒等操作と直積で新たに量子チャネルを作り、密度行列と合成系への単位演算子との直積を通すと、
やはり半正定値条件が成立すること、の三つです。
これを認めると、注目している系の密度行列と、外部に補助系との直積状態を作り、これら全量子状態にユニタリ的な操作を行い、
最後に補助系をトレースアウトして、操作された後の注目している系の密度行列を得る、という表現に必ず書けるということが証明できます。これをSteinspring表現といいます。
今回はそれからシュレーディンガー方程式を導くところまで行けるかどうか、です。
補助系を考慮すると注目している密度行列に対しては、Kraus表現、Kraus演算子が定義できます。
Kraus演算子は補助系の変数を含まないため数式が圧縮されるので、表記や計算などに便利です。
- Zoomによる読書会です。19:00ちょっと前に終わることが多いです。
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- 対象は量子コンピューティングや線形代数の知識がある程度あること、です。
- 想定予習時間は1-2時間です。
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