日本語推敲中です。内容は間違いないですが、やっつけなんで雑になってます。すいません。こんなのコンピュータがやってほしいよね...
23回目、堀田昌寛さんの
「入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として」
を読んでいきます。
前回ポインタ基底測定やりましたが、ちょっとだけ続きやって、7章にはいります。復習ですが、本質的に測定も、測定したい系ρ\rhoρ を量子チャネルΓ\GammaΓ に通すというかたちになります。とすると、Γ[ρ]=ρ′\Gamma[\rho]=\rho^\primeΓ[ρ]=ρ′となります。従って非常に一般的なことが言えるのです。さて、量子チャネルは6章でやったようにSteinspring表記で書けます。もっとも我々の経験に即した測定器は、人間が直接「見る」ことのできる巨視的なものです。それでもはancillaを言い換えた、いうことになります。なのでこの場合、Steinspring表記のancillaのHilbert空間の次元は10^23 qubit程度あるので人間が直接「見る」ことができます。
さて、量子チャネルを測定と結びつけるのは、測定したい系の演算子OOO の、スペクトル分解∑∣On⟩⟨On∣on\sum |O_n\rangle \langle O_n| o_n∑∣On⟩⟨On∣on と、巨視的な測定器のスペクトル分解∑∣n⟩⟨n∣n\sum |n\rangle \langle n | n∑∣n⟩⟨n∣n の間に量子もつれをつくりだし、∑∣On⟩⊗∣n⟩\sum |O_n\rangle \otimes |n \rangle∑∣On⟩⊗∣n⟩ という状態を作り出すことになります。測定したい状態は∣ψ⟩|\psi\rangle∣ψ⟩ なので、それとの内積をとります。(巨視的な)測定器の∣n⟩|n\rangle∣n⟩ は測定器の針がどこを指すか、ということにしておけば、普通は微視的な量子系の量子状態が測定器の針と量子もつれを作り出し、どこを指すかを我々が観測できることになります。
ここで、人間の意識 - 物理的には未定義語ですが - から本質的には逃げられないことが分かります。二準位スピンを考え、12∣0⟩+12∣1⟩\frac{1}{\sqrt{2}} |0\rangle + \frac{1}{\sqrt{2}} |1\rangle21∣0⟩+21∣1⟩ について∣0⟩|0\rangle∣0⟩ か∣1⟩|1\rangle∣1⟩ を測定すれば、針は∣0⟩|0\rangle∣0⟩ も∣1⟩|1\rangle∣1⟩ の同じ線形重ね合わせになってしまいます。針は0,1どちらかを指すので、何かしら選択されることになります。これが波動関数の収縮です。
従って、量子力学での測定は、人間の意識の介在、波動関数の収縮という人間の直感に反することを避けられません。これが標準的なコペンハーゲン解釈です。面白いのはこんな直感に反したことでさえ、結果に今まで矛盾が出てきていないことです。
これを回避しようとして、測定者も量子系と考えてもそれでもダメです。これはフォンノイマン鎖といわれていて、どこまで拡張しても逃げられません。どこかでフォンノイマン鎖を断ち切り、収縮を認める必要が出てきます。これはハイゼンベルク切断とよばれます。どこで切断しても結果は変わりません。
- 初心者質問大歓迎です。多少トピックずれてても変な質問でも歓迎です。前の章でわからなくなったことでも歓迎です。
- クソ質問でさえ歓迎します。
- Zoomによる読書会です。19:00ちょっと前に終わることが多いです。
- https://twitter.com/NakataMaho/status/1414056604840841217 の正式なアナウンスです
- 対象は量子コンピューティングや線形代数の知識がある程度あること、です。
- 想定予習時間は1-2時間です。
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