論文紹介:変分量子計算を利用したたんぱく質折り畳み問題。


今回は新種の変分量子計算を利用したたんぱく質折り畳み問題を解く方法を紹介する論文です。この論文はアンジオテンシンという一次元の9つのタンパク質分子が連なった鎖として表せる薬剤における最適な折りたたみ方をCount Value-at-Risk Variational Quantum Eigensolver(CVaR-VQE)という方法を用いて計算するものです。


具体的にはCVaR-VQEを用いて、これはアンギオイテンシンにおけるそれぞれの分子間における角度を最適化しながら、遺伝アルゴリズムを用いてエネルギーが小さい角度の組を選んで、それらから次の世代を出力し、それを個体分布が収束するか世代交代数が上限に達するまで続けます。角度の組を生成する方法はDifferential Evolution(DE)法です。これは自然界における角度の組を選択する自然選択の作用を再現するものです。その結果、回路のショット数128では余り基底状態に行く個体は少なかったものの1024回の場合、80回の世代交代ののち、全個体数のうち8割が基底状態に達するという結果になりました。実機を用いて計算した結果も、同様に世代交代数を重ねることで基底状態における存在確率が上昇しました。


遺伝アルゴリズムが必要というわけではありませんが、補足資料にはほかの手法で最適化した結果も載っています。補足資料ではオプティマイザを他の方法にした結果も載っています。とはいえ、問題を既存の量子計算機で解けるように簡略化し、それに合わせた新しい計算方法を考案し、結果まで良好です。私も負けていられません。


Resource-efficient quantum algorithm for protein folding | npj Quantum Information (nature.com)

Hikaru Wakaura
個人研究者の若浦 光です。量子アルゴリズムの実装結果や論文の紹介などを載せていきます。 mail: hikaruwakaura@gmail.com
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