論文紹介:トポロジカル時間結晶。

今回は、トポロジカル相によって作られる時間結晶について解説します。これは1次元系におけるHaldaneトポロジカル絶縁体において時間結晶が出現することを示す論文です。これは、時間変化する有効ハミルトニアンを使うのは通常のものと同じですが、タイムクリスタルにおける周期変化は波動関数に組み込みます。トポロジカルと銘打たれていますが、残念ながらトポロジカル量子計算機のようにデコヒーレンスが起こらないということはありません。このシミュレーションには次のBose-Hubbardハミルトニアンを使います。


H=j=0tjaj+1aj+j=0Uj,j2nj(nj1)+j=0Vj,j+1nj+1njH=\sum_{j=0}t_ja_{j+1}^\dagger a_j+\sum_{j=0}\frac{U_{j,j}}{2}n_{j}(n_j-1)+\sum_{j=0}V_{j,j+1}n_{j+1}n_j


このうち、tj,Uj,jt_{j},U_{j,j} は局在系の波動関数における積分を含む形になります。この波動関数は、フロケ格子に似た周期変化するハミルトニアンの固有関数となります。Haldaneトポロジカル絶縁体においてはスピン間相互作用(交換積分)とVj,j+1V_{j,j+1} との比率はV/J=2.5となります。これをシミュレーションした結果、タイムクリスタル振動が磁化に対して起こり、0.5G/ms(0.5ガウス毎ミリ秒)の周期で起こることが確認されました。


タイムクリスタルの研究はここ最近、量子計算機におけるシミュレーションがシミュレーションSDKなどの充実によってやりやすくなったことで、急速に進んでいます。なので、私もこれから始めようと思っています。


[1806.10536] Topological Time Crystals (arxiv.org)





Hikaru Wakaura
個人研究者の若浦 光です。量子アルゴリズムの実装結果や論文の紹介などを載せていきます。 mail: hikaruwakaura@gmail.com
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