量子可積分系


今回は可積分系、特に量子可積分系の話をします。可積分系というのは積分、微分、変数変換、微分方程式を解く、四則演算を組み合わせて解け、完全積分可能な全微分方程式で表せる系のことです[1]。このような系においては要素数が増えるほどに保存則を表す式が増えます。したがって、要素数無限大の極限では保存量の数は正の無限大に発散します。戸田格子やソリトン場におけるKdV方程式などがそれにあたります。後者は座標と時間を含む三角関数でフーリエ級数展開することで解くことが可能です[2]。


量子可積分系ではハミルトニアンと可換な保存量が要素数に伴って増えていきます。量子ソリトン、一次元量子気体、一次元ハバードモデル(XXZ系など)が挙げられます[3]。中でも、特に身近なのが光ファイバーにおける搬送波の非線形工学相互作用です[4]。光ファイバーはローレンツモデルで説明できない媒質なため、誘電感受率は非線形なテンソルになり、非線形光学効果が起こります。これは媒質を通じた光波同士の相互作用と媒質自体との相互作用の総体を表します。例えば、自己変調、自己急峻化(媒質と光の相互作用)、ラマン散乱、誘導ラマン散乱(媒質を通じた複数光波と媒質との相互作用)、四光波混合(媒質を通じた光波間相互作用)などです。その結果は複素振幅が量子可積分系である非線形シュレディンガー方程式になります[5]。


今回、量子可積分系というタイトルで書かせて頂きましたが、各例は簡単ですが一般論は難しく、私自身よくわかっていないというのが正直なところです。

本来ならこれは葉層構造を用いて定義されるのですが、残念がら私は微分幾何に詳しくないため、内容の保証は致しかねます。しかしながら、参考文献には可積分系例がたくさん載っているため、各自参照していただけると幸いです。


[1] http://www.nara-wu.ac.jp/initiative-MPI/images/nwu_only/Inoue-file.pdf

[2] http://gandalf.math.kyushu-u.ac.jp/~kaji/ohp/2007_master.pdf

[3] https://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~wakate/mcyr/2018/pdf/00100_sato_jun.pdf

[4] https://optipedia.info/laser/fiberlaser/nonlinear-schrodinger/

[5] https://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=31-5rensai.pdf&dir=160

Hikaru Wakaura
個人研究者の若浦 光です。量子アルゴリズムの実装結果や論文の紹介などを載せていきます。 mail: hikaruwakaura@gmail.com
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