【コンテストブログ】量子断熱計算をやってみた【付録】


この記事は、「【コンテストブログ】量子断熱計算をやってみた by Hikaru Wakaura | blueqat」の付録です。細かい小計算過程と詳細なデータを載せます。



ハミルトニアンの計算方法:

式(2),(4)の計算は突然直積表記からパウリ行列になり、戸惑う読者も少なくないでしょう。ここではその詳細を示します。まず、パウリ行列はブラケットで、

Xj=0j j1+1j j0,Yj=i0j j1+i1j j0,Zj=0j j01j j1,Ij=0j j0+1j j1 X_j=\mid 0 \rangle_j ~_j\langle 1 \mid + \mid 1 \rangle_j ~_j\langle 0 \mid, Y_j=-i\mid 0 \rangle_j ~_j\langle 1 \mid + i\mid 1 \rangle_j ~_j\langle 0 \mid , Z_j=\mid 0 \rangle_j ~_j\langle 0 \mid - \mid 1 \rangle_j ~_j\langle 1 \mid, I_j=\mid 0 \rangle_j ~_j\langle 0 \mid + \mid 1 \rangle_j ~_j\langle 1 \mid -(A1)


と表すことができます。HfH_{f} の計算における第2,3項はこれらを用いてブラケット表記で、


Hf2=00110203j=0,jij12n1c.c. {H_{f}}_2=-\mid 0 \rangle_0 \mid 1 \rangle_1 \mid 0 \rangle_2 \mid 0 \rangle_3 \sum_{j=0, j\neq i}\langle j \mid \frac{1}{2^n-1} - c.c. -(A2)


とあらわされるため、


Hf2=12n1((00 00+00 01)(11 10+11 11)(02 20+02 21)(03 30+03 31)+c.c.) {H_{f}}_2=-\frac{1}{2^n-1}((\mid 0 \rangle_0 ~_0\langle 0 \mid + \mid 0 \rangle_0 ~_0\langle 1 \mid)(\mid 1 \rangle_1 ~_1\langle 0 \mid + \mid 1\rangle_1 ~_1\langle 1 \mid)(\mid 0 \rangle_2 ~_2\langle 0 \mid + \mid 0 \rangle_2 ~_2\langle 1 \mid)(\mid 0 \rangle_3 ~_3\langle 0 \mid + \mid 0 \rangle_3 ~_3\langle 1 \mid)+c.c.) -(A3)


と出来ます。これで、式(3)と(A3)から(4)が簡単に導かれます。


tを一様とした場合の結果:

式(5)を利用せず、s=t/Tとした場合における計算結果は図A1,A2のようになりました。本文と同様にハミルトニアンの深さは1、T=100としています。存在確率は解の状態で最大0.16にしかなりませんでした。しかしながら、エネルギーは一様に単調増加しています。

図A1 s=t/Tとした場合における各状態における存在確率の変化。

図A2 s=t/Tとした場合における基底状態のエネルギーの時間発展。


sを0.001刻みで変化させても同様でした。

Hikaru Wakaura
個人研究者の若浦 光です。量子アルゴリズムの実装結果や論文の紹介などを載せていきます。 mail: hikaruwakaura@gmail.com
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