量子シミュレーションとその動向。


量子シミュレーションについえ正確にご存知でしょうか。これは広義には量子系における時間発展をシミュレーションすることですが、今日、万能ゲート型量子計算器の発展によってその状況は複雑化しつつあります。現在、この手法は次の3種類に分かれています。


1, 古典計算機における量子系時間発展シミュレーション。


2, リュードベリ粒子などの他の量子系のエミュレートに長けた人工系を用いた量子シミュレーション。


3, 万能ゲート型量子計算機を用いたシミュレーション[1][2]。


1,はかつての主流でしたが、古典計算機の限界に直面したため最近はすたれつつあります。2,は1990年代から様々な研究グループによってさまざまな量子シミュレーターが作られ、様々な量子系が実験的にエミュレートされました。これは現在も複数グループによって続けられています。3,は量子計算機の発展によって最近爆発的に研究人口が増えた領域です。特に、イオン・トラップ型量子計算機で盛んに研究が行われるようになりました。blueqatでもハミルトニアンと波動関数さえ作れれば容易に実行できるため、容易に参入できると思われがちですが、そうもいきません。すでに様々な系が様々なグループによってシミュレーションされています。すでに研究された系は図1に纏めました。

図1 量子シミュレーションによって既に研究がなされている系。*はすでにそこに属する複数の系が量子シミュレーションされたことを示します。これらに示したのみならず、それぞれの副分野における様々な系がすでに研究されてしまいました。


  これらのみならず、高エネルギー物理、宇宙物理における研究にも応用されています。最近では創薬に利用しようとする企業も現れています[10]。唯一残されていると思われる系は一部の三次元非局所相関係、生物物理系、社会工学などです。私にはハミルトニアンと系の時間発展演算子さえわかれば、可能であれば量子シミュレーションを行う容易が有ります。私に声をかけて頂けるのであれば、協力させて頂きます。


[1]M. Geogescu and et. al., arxiv[quant-ph],1308.6253v3(2014)

[2]C. Monroe and et. al., arxiv[quant-ph], 1912.07845(2019)

[3]D. G. Angelakis and et. al., Phys. Rev. A, 76.031805(2007)

[4]R. Moessner and A. P. Ramirez, Phys. Today, 59, 24-29(2006)

[5]E. Manousakis, J. Low Temp. Phys., 126, 1501-1513(2002)

[6]L. Dawei and et. al, Phys. Chem. Chem. Phys., 14, 9411-9420(2012) 

[7]D. A. Abamin, and et. al., Reviews of Modern Physics91(2), 021001(2019)

[8]P. Jurcevic and et. al.,Phys. Rev. Lett. 119, 080501 (2017)

[9]Zhao-Di Liu and et. al., Nature Communications volume 9, Article number: 3453 (2018) 

[10]https://qsimulate.com/a9052a02cc42cb464464c024dce400f7.html

Hikaru Wakaura
個人研究者の若浦 光です。量子アルゴリズムの実装結果や論文の紹介などを載せていきます。 mail: hikaruwakaura@gmail.com
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