お世話になります。量子コンピュータクラウドを立ち上げて4年目となります。量子コンピュータや量子アニーラについてまとめます。
弊社はblueqat(ブルーキャット)株式会社です。会社概要はこちらから、
https://blueqat.com/blueqat_official_news_ja/ba33ae7b-5857-4437-9be8-8670471eeece
初めはMDR(SEOが引っかからないのでblueqatに変更)という会社で量子コンピュータクラウドサービスを提げて、2014年から頑張っています。当初は量子アニーリングをやっていましたが、2018年から本格的に量子ゲート型量子コンピュータを行っています。SDKというソフトウェア開発キットを提供していましたが、クラウドが使いやすいということで企業様にクラウドサービスを提供始めてから少しずつ伸びています。特に昨年後半くらいから問い合わせが多くなっています。
業界事情として、以前は量子アニーリングが流行っていましたが、少しブームが落ち着き、量子ゲート型量子コンピュータという方にシフトが進み、今出ているほとんどのニュースは量子ゲート型量子コンピュータになっているかと思います。2018年ごろからは量子ゲート型が流行り出して、2021年ごろにはすごい計算ができるのではないかとNISQと呼ばれるエラーあり量子コンピュータが期待されましたが、実際には計算は早くならず、全世界的に少し需要が萎んでいる感じですが、日本ではこれからNISQが流行るという感じになっています。ただ、NISQでは有用な計算はできないというのが全世界的なコンセンサスかと思いますので、実際に実用化は厳しいです。ですので、市場規模も伸び悩むと思います。
最近で弊社が量子コンピュータ分野で力を入れているのは、awsにおける量子と機械学習とクラウドの統合、NVIDIAにおけるcuQuantum GPU量子コンピュータシミュレータの普及と活用、エクイニクス様やOQC様との量子コンピュータデータセンターでの量子ソリューションの取り組みなどです。
https://aws.amazon.com/jp/braket/
https://developer.nvidia.com/cuquantum-sdk
https://oxfordquantumcircuits.com/
全体感としては、弊社のトライしているのは、NISQでのアプリ提供、量子コンピュータとGPUのハイブリッド環境構築、量子機械学習および量子技術を適用した古典機械学習のアプリ開発、今後は量子コンピュータ分野での誤り訂正を含む最新型量子コンピュータへの取り組みとなります。現状ではおかげさまで多くのお客様にご愛用いただき、かつ広範囲に及ぶ業界のお客様に量子コンピュータを活用いただいております。これだけ多くの業界、全ての業界において超大手のお客様に活用いただいているのはとても珍しいと思います。
ただ、量子コンピュータの応用と実用化はまだまだ先の話と言われており、弊社もお客様に多くの年間予算を割くことはお薦めしておりません。また、実用化も当面は厳しいので、企業としての教育や外部への取り組みの宣伝などに量子コンピュータを使っていただくのが良いのかなと思っています。ただ、研究開発や将来的な備えという意味だけで量子コンピュータを利用するのは市場規模が大きくなるまでに時間がかかるため、企業としてはあまり旨味がないというのも実際かと思います。
弊社では半導体型の新しい量子コンピュータも開発をしています。詳しくは2023年末のSEMICON JAPANにて展示をいたしますが、現状の量子コンピュータと異なり、量産できる半導体をそのまま使った新型となります。2024年の公開を目指して準備しております。
また、海外ではシカゴのqBraidとの量子コンピュータハイブリッド環境開発などを進めています。
実機に関してはOQCなどとの企業利用を進めておりますので、ぜひ興味ある企業はお声がけください。
https://oxfordquantumcircuits.com/
量子コンピュータクラウドシステムは多くの技術力を必要とし、使うお客様にも技術力を要求するものです。また、昨今のNISQの実用化が難しいという事情から開発機運も次世代型に流れており、すぐに利用するというモチベーションはあまり高くないものの、全体の市場が広がっているために利用者は増加傾向にあります。
また、開発を抑え、情報収集にとどめたいという企業も大変増えており、Quantum Business Magazineの購読や論文解説などのサービスの需要が高まっており、相対的にコストが抑えやすいということから人気となっています。
それでも量子コンピュータに対する企業投資を着実に成果を回収したいという要望から、最近では古典機械学習のtensorflowやpytorchなどに量子技術を応用した研究委託サービスなどを昨年から立ち上げ、こちらはCNN/RNN/Transformerなどの最新の深層学習モデルがそのまま利用できるということから大変人気が高まっています。
ほとんどの企業は
・Quantum Business Magazineの購読と論文解説 + クラウドでのベンチマークの取得
で済むと思われます。
より積極的に量子を活用したい企業はほぼ全ての業界を網羅しておりますので、
・量子コンピュータ + GPUハイブリッドシステムでアプリケーションを開発し、外部発表すれば良いかと思います。
・実機はOQCやIonQ、QuEraなどをお薦めしています。
より実効的な成果が欲しい企業は、
・量子技術をベースにGPUを活用した深層学習モデルのパフォーマンス最適化をお薦めします。
上記をベースに弊社ではより収益性が高く、市場の広い分野に事業拡大してまいります。
以上です。