common.title

Docs
Quantum Circuit
TYTAN CLOUD

QUANTUM GAMING


Overview
Contact
Event
Project
Research

Terms of service (Web service)

Terms of service (Quantum and ML Cloud service)

Privacy policy


Sign in
Sign up
common.title

[論文紹介#1] Single-component gradient rules for variational quantum algorithms (arXiv: 2106.01388)

ryuNagai

2021/06/17 14:50

2

積んでいる論文を消化すると共に blueqat cloud のコンテンツを増やす試みとして、論文紹介を定期的に作ろうと思いました。

論文紹介といっても、ガッツリ解説してくれるパターンや、アブストラクト的な軽さでさくっと紹介するパターンなど色々あります。
それぞれ良い部分はありますが、

  • ガッツリ解説は書くのが大変で続かない + 読むのに元の論文と同じくらい時間がかかりかねない
  • アブストラクト的紹介はブログにするほどでない(Twitterで良い)

ということで私はアブストラクトよりは情報量多め、かつ細かい数式や詳細は立ち入らず役に立つ情報を抽出できるような記事を目指します。
当面はクオリティよりも継続を重視します。

論文紹介

Single-component gradient rules for variational quantum algorithms

http://arxiv.org/abs/2106.01388
変分量子アルゴリズムにおける、勾配の求め方について。

本論文で覚えておきたいことは大きく2点あります。

1点目は、パラメータシフト法[1]の一般化です。

パラメータシフト法についておさらいしておきましょう。量子回路内の回転ゲートが持つ回転角パラメータ \theta とします。その量子回路の期待値の、\theta についての偏微分を求める方法がパラメータシフト法です。具体的には、\theta をそれぞれ \pm \pi/2 だけシフトさせた場合の期待値 E^+, E^- を取得し、(E^+ - E^-)/2 を計算します。
本論文はパラメータシフト法を一般化することで、偏微分、すなわち1次の導関数と、2次の導関数との線形和を得られることを示しています。
線形和の重みは+側と-側のシフト量をそれぞれ別個に設定することで調節できます。
つまり、1次の導関数を得るのと同じ手間で、実は2次の導関数を得ることもできるのです。

本論文では1次導関数の代わりに2次導関数を用いることで、より効率的な最適化が期待されると述べています。
(例:古典最適化問題におけえるニュートン法)

2点目はネガティブな話です。
古典的な偏微分を求める数値的手法として知られ得る有限差分法には、前進差分法、後進差分法、中心差分法があります。
このうち中心差分法は\pm両側のシフトが必要なので、他と2つ比べ約2倍の計算量が必要です。
パラメータシフト法も中心差分法と同じく\pm両側のシフトが必要なので、この前進(後進)差分バージョンがあれば嬉しい、という状況でした。
しかし本論文は、そのような方法が存在しないことを証明と共に主張しています。

導関数の計算はパラメトリック量子回路手法の計算量にダイレクトに影響するので、定期的にチェックしていきたいですね。

[1] K. Mitarai, M. Negoro, M. Kitagawa, and K. Fujii, “Quantum circuit learning,” Phys. Rev. A, vol. 98, p. 032 309, 2018.

© 2025, blueqat Inc. All rights reserved