論文紹介
Entangling Quantum Generative Adversarial Networks
量子GANについて。
GANとは言わずと知れた敵対的生成ネットワーク(Genera tive Adversarial Networks)の略ですね。
学習したい真のデータセットと、偽のデータセットを生成するGenerator (G)と、その2つを判別するDiscriminator (D)から成り立ちます。
GがDを騙すようにGを学習させる、DがGの作った偽データを識別できるようDを学習させる、という2ステップを交互に実行することで、最終的に真のデータと同様の確率分布からサンプルを生成できるGを得られます。
GとDはニューラルネットワークで構成されますが、それを量子回路に置き換えるというのがQuantum GANの基本アイデアです。
この研究より前に提案されていたQuGANでは、true data と fake data をそれぞれ量子状態として入力された時に、異なる測定結果を返す Operator T を用意し、Dとしました。つまり、true data と fake data は別々に入力し、訓練します。
本論文ではこのQuGAN手法は最適点付近で収束せず、振動してしまうと示しています。
その解決策として、新たな D を提案しました。これはざっくり言ってしまうと、 true data と fake data の双方を入力としスワップテストを行うような量子回路ansatzです。
true data と fake data をエンタングルさせて識別結果を返すわけで、ここにQuGANと比較してよりQunatum Nativeさを感じられますね。
実験では実際に Sycamore プロセッサを用いて近似的なQRAMを作っています。
Sycamore を使えてることから想像つくように、著者は Google AI と Caltech です。見るからに強いですね。