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2020年、カナダのD-Wave社がハイブリッドで企業の「収益化」に本気で取りかかってきた

Yuichiro Minato

2020/10/09 03:07

#量子アニーリング #D-Wave

こんにちは。

カナダのD-Wave社がいよいよ本気で収益化に取りかかってきました。チップやサービスの使い方にちょっとコツが必要なので、日本語資料もないですし、ブログ記事にします。

ビジネスファースト

まず、扉絵から「ビジネス」とでかく書いてあります。

https://www.dwavesys.com/

とにかくビジネスです。

商用化と収益化は違う。今回は収益化の方。

量子コンピュータ業界は研究側とビジネス側のバランスがまだ悪く、商用化は数十億円で購入できて、多少動くくらいの意味で使われている。一方でビジネスをする側で期待するのは、やはりそのマシンを使ってお金がきちんと稼げる収益化の方である。

D-Waveはここ数年収益化に力を入れていて、収益化を強化している。

研究はQPU、ビジネスはハイブリッド

これまで研究主体だった量子アニーラに対して、数年ビジネス応用が検討されてきた。このバランスには注意が必要だ。

研究では量子アニーラの性能を忠実に評価する必要がある。ブラックボックスは許されない。

一方で、商用化は中身のアルゴリズムはどうでも良くて、パフォーマンスを出したい。このバランスは今回2種類のサービスという形で解決されている。

研究は純粋な量子チップであるQPUのAdvantageを利用することができ、ビジネスには中身どうなってるかわからないがとりあえず答えが出るハイブリッド方式が採用されている。

QPUのAdvantageは5000量子ビット、15結合のペガサスグラフをそのまま使うことに。

ハイブリッドはハイブリッドソルバーサービスHSSのv2もしくは、離散ソルバーv1を使うことに。

QPUはこれまでのキメラと同じで、接続を考慮しながら研究に役立てる一方で、ハイブリッドの利用にはこれから企業は導入に向けて検討が必要だ。

ハイブリッドは2種類

10/8からハイブリッドも2種類できた。これまではバイナリ値と呼ばれる0と1の2値で答えが出ていた、hybrid_binary_quadratic_model_version2というのが主流だったが、今回、hybrid_discrete_quadratic_model_version1と呼ばれる01以外の離散変数を使えるモデルも出た。

01以外の数字が使えるのはビジネスとしてもかなり便利なので今後はこちらも検討を進めていくのがいい。

独自のハイブリッドは重要になる可能性も

今回のハイブリッドソルバーはD-Wave社のオリジナルとなっている。一方で、これからはソルバーに関してもより企業が使いやすいモデルが登場するなど、利用者に合わせた改善についてもビジネスチャンスが広がってきた。

特に2値変数以外の値も取れるソルバーはこれまで登場していなかったので、この流れは大きくイジングマシンの流れを変える可能性がある。

アプリケーションコレクション

他の企業がどのようなアプリケーションを作っているのかは、一覧が提供されている。

https://www.dwavesys.com/applications

これを参考に、自社で活用できそうなアプリをハイブリッドで実装するのが今後の流れになりそうです。

以上です。

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