こんにちは。今日はミッドサーキット測定(日本語翻訳がまだない)と言う新しい技術がイオントラップ型の量子コンピュータで提供されていますので、それを使って同じ回路を実行して量子ビットを減らしながら計算精度を上げると言う方法を確認します。
こちらはhoneywellのイオントラップマシンで実行され、発表されました。
参考:
https://twitter.com/Moor_Quantum/status/1317452801325338625?s=20
ミッドサーキット測定と量子ビットの再利用
こちらは、量子回路の途中で測定をしてしまいます。測定をした後の量子ビットは再利用ができます。元々の量子回路が再利用でうまく動く場合には、再利用を使うことで少ない量子ビットで計算をすることができます。
|0> --X---H--------X---M
|0> ------M |0>--X---M
上記のように、途中で一旦測定をしてから再度0に初期化をします。これをすることによってもつれを併用することで、より複雑な計算をすることができます。
6量子ビットのアルゴリズムを2量子ビットで
今回紹介するのは、Honeywellのイオントラップ型量子コンピュータで実行されたBernstein-Vazirani Algorithmです。こちらのアルゴリズムは今回は内容には触れないので、別途学んでもらうとしまして、回路を早速確認してみたいと思います。まずは通常の6量子ビット回路です。
|0> --H-----@-----------H--M
|0> --H-----|--I--------H--M
|0> --H-----|-----@-----H--M
|0> --H-----|-----|--@--H--M
|0> --H-----|--I--|--|--H--M
|0> --H--Z--X-----X--X-----M
当然ですが、6量子ビット使っています。しかし回路をよく見ると、一番上の量子ビットはCXの適用以降はHゲートだけで終わっています。CXの形によっては大幅に量子ビットを節約できます。
2量子ビットでは、
一番したのCXのターゲットビットを基準に量子ビットの再利用を通じて量子ビットを減らせます。
|0> -----H-@-H-M |0>-H-I-H-M |0>-H-@-H-M |0>-H-@-H-M |0>-H-I-H-M
| | |
|0> -H-Z---X-------------------------X------------X----------------M
これ見ると、なんか意味あるんかわからん回路もありますが、CXのターゲットビットが同じなので、測定をうまく使ってかなり量子ビットを節約できていますね。Honeywellの発表した計算結果だと、6量子ビットを使うよりも計算結果の精度が高かったので、結構いいのかもしれません。
まとめ
新しい使い方がどんどん出てきてます。これまで量子ビット再利用はあまり実機で使われていませんでしたが、Honeywellの量子コンピュータで実機利用ができたので、今後活用方法が生まれる気がします。