2020年の9月29日に、カナダのD-Wave社から新型の量子アニーラが発表されました。Advantageは5000量子ビットという多くの量子ビットを搭載している新型マシンです。早速詳細を見て、使ってみましょう。
3つのポイント
ポイント1:量子ビット数
量子ビット数が以前の2000から5000に増えました。ゲートマシンとは方式が違うので比較はできませんが、2.5倍の量子ビット数になったので、単純に大きな問題が解けます。
ポイント2:量子ビット同士の接続数
新しいAdvantageはペガサス結合と呼ばれる15接続のタイプに変更となりました。従来はキメラ結合と呼ばれる6つの結合が主でしたが、今回大幅に量子ビットの接続が変更となりました。
ポイント3:ビジネス用途のハイブリッドソルバー
ハイブリッドソルバーと呼ばれる量子と古典をハイブリッドで利用するサービスの量子ビット数が100万に拡張されました。これにより組合せ最適化問題を解く際にも多くの量子ビット数が利用できます。
このように使いやすく大きく、機能も改善されました。
早速使ってみましょう
D-WaveはLeapというサービス名でこちらを提供しています。
こちらにログインすれば使えます。
ログインするとこんな感じで、右の方のUsage DetailsでAdvantage_system1.1と表示されているのがみれます。
利用方法は従来のマシンと変わらず、tokenを使って計算をします。
from dwave.cloud import Client
client = Client.from_config(token='ABC-123456789123456789123456789')
client.get_solvers()
このように、ソルバーを指定してみます。tokenはログイン後に付与されるtokenを使ってください。
[StructuredSolver(id='c4-sw_optimize'),
StructuredSolver(id='c4-sw_sample'),
StructuredSolver(id='DW_2000Q_6'),
StructuredSolver(id='DW_2000Q_VFYC_6'),
BQMSolver(id='hybrid_v1'),
StructuredSolver(id='Advantage_system1.1'),
BQMSolver(id='hybrid_binary_quadratic_model_version2')]
実際にblueqat cloudで使ってみたところ、上記のようになりました。HSSのv1に加えてv2だけでなく、DW_2000Q_6という従来機と並行してAdvantage_system1.1が見れます。
from dwave.system.samplers import DWaveSampler
from dwave.system.composites import EmbeddingComposite
sampler = EmbeddingComposite(DWaveSampler(endpoint='https://cloud.dwavesys.com/sapi', token='token='ABC-123456789012345678901234567890', solver='Advantage_system1.1'))
response = sampler.sample_ising({'a': -0.5, 'b': 1.0}, {('a', 'b'): -1})
response.data_vectors['energy']
array([-1.5])
と、きちんと問題を投げることができました。
もっとビジネスに
D-Wave社は実用化を急いでいますので、社会の実問題を主に扱っています。ぜひAdvantageを使って、世界で最初にビジネスを成功させましょう!以上です。