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2024/11/23 17:20
現在世界中で半導体が大きく注目されています。GPUと呼ばれる画像処理ユニットが科学計算を経てAIに利用されることにより大きな技術発展を迎えています。また、もちろん引き続きスマートフォンのようなモバイルデバイスでも半導体が利用されています。
現在のロジック半導体に対して次世代の量子コンピューティングが注目されています。現在の半導体ロジックとは異なる量子力学的な性質を計算に利用します。そこで、今回からシリコン半導体で量子コンピュータを実現するための技術を見ていきます。
半導体を利用して量子コンピュータを作成するにはいくつかのアプローチがありますが、私たちはポピュラーな量子ドットを利用したものを見ていきます。基礎知識として、量子力学的閉じ込めにを見ますが、これは、静電場、材料間の界面、個々の原子の配置を組み合わせることで実現されます。これらのアプローチにより、ソース、ドレイン、ゲート電極と結合されたシリコンのポテンシャル井戸を持つ単一電子トンネルデバイスが構成されます。
シリコンナノ構造中の電子は、材料や静電ポテンシャルの組み合わせによって閉じ込められます。ナノ構造化された材料の形状やサイズにより、電子は0次元、1次元、または2次元に閉じ込められます。ここでは、論文からいくつかの方法(量子ドット以外も)を見てみます。
Floris A. Zwanenburg, Andrew S. Dzurak, Andrea Morello, Michelle Y. Simmons, Lloyd C. L. Hollenberg, Gerhard Klimeck, Sven Rogge, Susan N. Coppersmith, Mark A. Eriksson
引用:https://arxiv.org/abs/1206.5202
**ドーパント(dopant)**とは、シリコンなどの半導体材料に添加される不純物原子のことで、材料の電気的特性を制御するために使用されます。シリコンは純粋な状態では電気伝導性が非常に低い性質を持つため、意図的に少量のドーパントを加えることで、電子や正孔(ホール)をキャリアとして導電性を高めます。単一ドーパント原子が作る静電ポテンシャルは放射対称であり、すべての方向で同じ急峻なポテンシャル井戸を形成します。
自己組織化ナノ結晶(Self-Assembled Nanocrystals)は、半導体材料中で自然なエネルギー最小化のプロセスを利用して形成されるナノスケールの結晶構造です。ドーパントと同様に、自己組織化ナノ結晶も電子を0次元に閉じ込めます。この閉じ込めは、x、y、z方向のすべてにおいて硬壁ポテンシャル井戸として記述され、ドーパントの閉じ込めよりも幅が広いです。
ナノワイヤは高いアスペクト比を持つため、横方向(Ly, Lz)のエネルギー準位間隔が大きく、縦方向(Lx)のエネルギー準位間隔が小さくなります。これにより、横方向に少数のサブバンドを持つ(準)1次元チャネルが形成されます。このチャネル内には、ナノワイヤ上の局所ゲートやソース・ドレインコンタクトにおけるショットキートンネル障壁を用いて0次元の井戸を作ることができます。
2次元電子ガス(2DEG)は、Si MOSFETやSi/SiGeヘテロ構造で作ることができます。電子はx-y平面内では閉じ込められず、平面に垂直な方向には三角形ポテンシャル井戸によって閉じ込められます。
これらの構造はそれぞれ異なる次元性に基づいて電子の閉じ込めを実現しており、今後はこの中でも実際に半導体産業として量子コンピュータとして作成のしやすい方法を採用してより深掘りしてみていきたいと思います。
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