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量子アートの可能性。波動を使って6量子ビットで猫を描く方法の仕組み。

Yuichiro Minato

2025/03/19 03:29

量子アートの可能性。波動を使って6量子ビットで猫を描く方法の仕組み。
量子コンピュータでお絵描き?量子もつれを活用した新しい表現

量子コンピュータと聞くと、多くの人は計算速度の向上や複雑な最適化問題の解決を思い浮かべるかもしれません。しかし、量子コンピュータは単なる計算機ではなく、波の性質を利用できるため、新たな表現手法としても活用できるのです。今回は、量子もつれや波の高さを用いて絵を描く試みについて紹介します。

量子コンピュータの波の特性を活用する

通常のコンピュータでは、ビットが0か1のいずれかの状態を取ります。しかし、量子コンピュータでは、量子ビット(キュービット)が0と1の重ね合わせ状態を持つことができ、その確率振幅が「波」のように振る舞います。この波の高さを利用することで、絵を描く新しい方法が考えられます。

例えば、量子状態の振幅をピクセルの明るさや色に変換すると、量子計算の結果を視覚的に表現することができます。これにより、量子特有の性質を持つアート作品が生まれる可能性があります。

量子もつれを使った表現

量子もつれは、離れた2つの量子ビットが強く関連し合い、片方の状態が決まるともう片方の状態も瞬時に決まる現象です。これを利用することで、例えば、もつれた状態を持つ量子ビットの組み合わせによって異なる色や形状のパターンを生成することができます。

試しに、2つのもつれたキュービットの測定結果を使い、それを座標上の点の位置としてプロットしてみると、通常のランダムな点の分布とは異なる、量子的な特徴を持つパターンが現れました。このように、量子の性質を利用することで、従来のコンピュータグラフィックスとは異なる独特なアート作品が生まれるのです。

6量子ビットで猫を描く:波動で描く方法

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6量子ビットを利用して絵を描く際には、波動を使います。波を使う場合に注意するのは波の重ね合わせともつれをうまく使うことです。

通常のコンピュータでは0もしくは1を取るデジタルとしてドットを表現できますが、量子ではそれが曖昧な波になります。波の高さがその値になりやすいという目安になり、下記のような状態では、1の波の高さが高いので、1としても表現できます。

波の高さにはルールがあり、全部の波の高さの合計値が決まっているため、別の波を高くすると他の波が低くなります。

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絵にする方法

これだけでは絵にはなりません。複数の波を発生させてそれらを複雑に組み合わせる必要があります。絵を出す場合には、特定のマス目の波を高くして、他の波を低くしたいところですが、これはかなり難しいです。それに対して利用するのが量子もつれです。量子もつれでは特定の波を低くするということができます。

これを利用することによって、特定の絵柄をドットに対応させて描くことができます。量子もつれを利用すると、6量子ビットのみで64の波動のパターンを最大作ることができるので、今回はそれを猫に対応させました。

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具体的な方法としては量子回路と呼ばれるものを利用します。具体的な方法については今後ブログなどで追って説明をしたいと思います。

量子アートの未来

量子コンピュータを使ったアートはまだ始まったばかりですが、その可能性は無限大です。特に、量子もつれや重ね合わせ状態を活用することで、通常のコンピュータでは生成できないパターンや色彩を生み出せるかもしれません。将来的には、量子コンピュータの計算能力を活かして、より高度な量子アート作品を作ることもできるでしょう。

量子コンピュータの世界は、単なる計算技術にとどまらず、新たな創造性をもたらしてくれるかもしれません。次回は、さらに複雑な量子回路を使った描画について実験してみたいと思います。

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