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量子コンピュータを使ってどのような世界を実現していきたいか

Yuichiro Minato

2022/02/17 15:31

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こんにちは。blueqatの湊です。2021年は量子コンピュータ業界にとって大きな転機でした、最近では米国でのSPAC上場を含めた企業活動の活発化、大手GAFAによる量子コンピュータクラウドのローンチによって利用が一般化しコモディティ化しました。おかげさまでblueqat社は量子コンピュータクラウドサービスでも大きく利用者と契約社数を伸ばすことができ、金融、化学、広告、小売、製造など多くの分野の日本を代表する企業に利用いただいております。また、東京大学量子ソフトウェア寄付講座も無事立ち上がり、日本の量子教育・企業の量子人材育成に大きく貢献できたと思います。また、昨年は超伝導量子ビットの開発を中止し、つくばの産総研へ知財も委譲し日本のハードウェア開発にも微力ながら貢献したと考えています。これまで数千万単位の国立研究所や大学への寄付を行ってきており、寄付も引き続き行い、日本の使いやすい研究費の流れを促進していきたいとも思っています。

http://qsw.phys.s.u-tokyo.ac.jp/

そんななか、2022年1月には、自分にとっても一つの達成感を感じることがあり、立ち止まって考えることとなりました。もともと自分は建築出身であり、前職の隈研吾建築都市設計事務所を2009年に独立後は、blueqatはデザイン会社で、建築設計からウェブデザイン、ウェブシステムとして発展してきていました。2014年に量子コンピュータに集中し始めてからは総務省、内閣府、文科省などさまざまな場面で呼んでいただけました。また、最近は国内での認知度以上に海外を意識することもあり、2018年にはD-WaveとIBM社とパートナーを結び、その後、最近ではAmazon社のパートナー企業として採用いただき大変感謝しています。

https://aws.amazon.com/jp/quantum-solutions-lab/

自分はもともとは物理は全く関係なく、東京大学工学部の建築学科卒業であり、量子力学は学んでおりません。2014年に参入時もまだ量子コンピュータは無名でしたので量子アニーリングを田中宗先生から学び、その後独学で量子ゲートを含む理論を学び、最近では複数の論文も査読に入るようになってきました。ツール類も全世界で使われるようになり、社員の半数は海外採用となりました。もともと物理は得意でしたので、まだ学んでいる最中の現在でもストレスを感じることなく楽しく量子コンピュータを事業として営むことができています。

また、事業もおかげさまでぼちぼちとなっており、機械学習や量子アニーリング、量子ゲート関連の事業は収益が取れるくらいの営業体制と開発体制となり、2022年1月には大きな節目となり、財務も調達なしでも成り立つくらいになってきました。もともと事業は苦手ですが、2009年に独立2008年に設立していますので、14年目となり、一通り企業として成長を続けられる持続可能な組織づくりと財務体制は築けていると思います。

2020年に社名を以前のMDRからblueqatに変更いたしました。理由は以前の社名は検索にひっかかりづらいのでオリジナリティのある社名ということで会社が伸びる前に命名し、ドラえもんをベースに青い猫からbluecat >> blueqatと命名しています。少しずつ浸透してきたのかなと感じています。また、2021年には渋谷スクランブルスクエアに本社を移転し、現在も活動を行っています。自分はもともと東京の三軒茶屋生まれで、育ちが渋谷区なのでとても土地勘があり、知り合いも多いので本郷よりは安心をして仕事ができます。また、採用は海外採用が増え、最近では東大や東工大などの国内トップ校以外にもインド工科大学や米国のトップ校からもメンバー参加が相次いでおり、とても学習意欲の高いいいチームができています。また、コミュニケーションも重視し、人の話を聞くいいチームができていると思います。

財務・経理面でも透明性が高い、非常に収支のわかりやすい風通しのよい、クライアントに自信をもって提示できるようなベンチャー企業としての財務を実現することができ、社長個人だけでなく社内教育により、社内でも経理・財務面での理解が進んでいることを大変うれしく思います。社会保障面はもちろん完備ですし、労務・経理共に迅速に動く組織となりました。

また、早くからリモートワークを採用していたため、社内のシステムも発展し、情報共有が迅速となり、無駄な会議もなくなりましたし、日本のみならず時差のあるエリアとの迅速な意思疎通や取引ができています。海外との取引も大幅に増えており、外国為替取引も迅速にできるようになりました。

ここまでやると、もともとあまりやりたいこともなかった自分もある程度満足してしまい、ある程度の目標を失う形ともなりました。ベンチャー企業ですので上場という目標もありますし、5%のストックオプション信託を設定しているので、それを遂行するのも重要ですが、現在の体制を拡充するにあたって収益性を確保できるとSO以上に魅力的なものを持つ組織になっていると思います。そうなると、現状2022年、米国は金利上昇・インフレ局面ということもあり、ベンチャー市場は株式市場も調達状況もとても悪いので、現在の収支を維持して生きながらえるのがベストな選択となっています。こうなると完全な中小企業となってしまいます。自分はかなり現状に満足してしまっているので、次の目標を設定しずらく、もともとあまり目標をもって会社経営をしてこなかったのでなんとなく来てしまいました。

一方、国内の状況はどうかというと、大手企業の賃下げ報道や身の回りでも景気の悪さを体感するようなコロナ禍を感じることも多く、これまで体験してきたリーマンショック、東日本大震災に次いで、コロナも大きく企業としての在り方を考えさせられるような機会に感じます。企業としての新しい挑戦をしつつ、次世代に希望が持てるような新しいスタイルを確立するというのをやってみたいというようにも感じます。

量子コンピュータはまだ大きな実験設備のようになっており、あまり計算もできません。報道では派手なものありますが、実際にはどんぐりの背比べでどのマシンも大差ありません。働く場所は自由ですので、インターネット経由で量子コンピュータに接続して計算をしますが、正直時々しか実機を使う機会は持たなくても十分で、多くの時間はシミュレータや理論構築などに割かれます。オンプレのローカルマシンもないので働く場所も時間も自由ですし、実際にマシンが動いている時間は米国の昼間時間なので日本時間では夜中になり、最近はマシンも高度化していて一日数時間しか稼働してないため、多くの待ち時間が発生しています。

量子コンピュータの実用化は2018年ごろは高らかに叫ばれていましたが、現状はあまり見通しはよくなく、2030-2040年ごろになるのではという見通しです。正直全く実用化に関しては検討が付かない状態かと思いますが、その手前部分でも大きな差が各社ついているので、このペースでも国内勢が海外に対して巻き返しができるかというと、正直全く見込みはないと感じています。もちろん、悲観的になるのはいけませんが、海外の各社ベンチャーは日本のベンチャー企業の100倍程度の資本差がありますし、それが何社もあります。日本はベンチャー市場自体がかなり小さいですので、調達という面ではやはり不利な状況が続いているのが現状です。

現状はソフトウェアの実用化は遠い将来。また、ハードウェアをやるかなんとなく教育をやるかという感じになっています。ハードウェアに関しては2021年には超伝導量子ビットをやめてしまいましたが、シリコン量子ビットと呼ばれる普通のチップを使って量子コンピュータを作るプロジェクトを始めました。

https://www.opensiliconquantum.com/

超伝導を作っていたころは産総研からの受注もあったので、ハードウェア実績はありますし、今回はファブレス中心なので、各社メーカーやサプライヤーと一緒にタッグを組んでいるため、以前ほどの負担もなく、本業のクラウドやソフトウェアも安定しているのであまりプレッシャーを感じることなく自由にハードウェアの開発や展望に関わることができています。簡単でないといわれますが、逆に今回はかなり気持ちに余裕をもってできており、量子コンピュータのハードウェアの量産化スケジュールはとても合理的でいいものなのではないかと感じています。

本題

正直満足してしまっています。しかし、満足していない人たちが世の中には多く、今後日本もなかなか厳しい状況に入っていくのではないでしょうか。弊社の多くのクライアントが今後の事業の展開が読みづらい、なかなか困っているように見えることもあります。弊社のこのような状況と知見を活かし、恩返しをするような時期に来た気がします。具体的にはもっと新しい技術を取り入れ、企業としての新しい姿を見せていくということがあると思います。

一つは働く場所です。働く場所はクラウドなので自由でした。弊社の開発しているシリコン量子ビットも小さいといえ冷凍機も必要です。しばらくはデータセンターなどの設置になると思います。実際にはノートパソコン一つで働けますし、働く時間も世界中と働いているので昼間にこだわることなく、昼夜自由に働けます。

二つ目は言語です。日本は少子高齢化でなかなか若い人の数が足りません。海外の企業との競争も激しいのでいい人材を世界中から採用する必要があります。共通言語は必然的に英語となります。社内の共通言語は英語です。取引も英語が多いですし、最近はクライアントも英語書類が増えてきました。

三つ目は、打合せ方法です。基本的にはオンラインのウェブ会議となりますが、最近は通信帯域や必要性を考えてカメラオフも増えてきました。打ち合わせはきちんと音声でコミュニケーションが取れればいいです。主に共有するのは画面であって、その他の日常の情報共有は掲示板やチャットツールで十分となっています。

四つ目は、テクノロジーです。上記のような場所も時間も自由、言語は共通。打ち合わせもビデオ不要となると、基本は通名とSNSアイコンでことが足ります。最近ではユーザーコミュニティもより利便性を追求しslackからdiscordに移ってきました。また、技術もメタバースやゲームのようなオンラインで済むような技術がかなり発達しています。現実世界で量子コンピュータや機械学習を使っていますが、今後はオンライン上で完結するようなイメージが強くなってきました。

どうなるか?

つまり統合すると、リアルで仕事する必要なく、ゲームをすればいいのでは?メタバースや暗号資産でストレスのない生活をすれば、ストレス解消をする必要もないし、沖縄でもハワイでも軽井沢でも好きなことに没頭しながら好きな量子コンピュータや機械学習をするような企業ができる持続的な企業が構築できるのではと思いました。その他興味があるテーマとしては再生エネルギーと電気自動車で、災害に強い住宅といつでもできる自家発電。排気ガスを出さず、自宅で充電してクリーンな電気自動車あたりが実現してくれるとかなり快適なのかなとも感じました。

具体的には、社員やユーザーは場所や時間にこだわらず、コミュニケーションをとるにはアイコンを保有し、好きな時に量子コンピュータを学び活用し、働いた報酬に暗号資産や現金を獲得し、英語でも自動翻訳でもリアルタイムにコミュニケーションを分け隔てなく行い、自由で快適で不自由ない生活が実現できるような状況が実現されたらどうなるのかはとても興味があります。そうすれば、実生活でも旅をしたり、風景を見てリラックスしながら物理と量子コンピュータの世界に貢献できますし、量子コンピュータ自体も実現すればさらに環境負荷の少ない計算ができると思われるのでいいサイクルに入っていくと思います。

これまではモノが動く力というのは重要視されていて多くの経済活動がリアルなモノの移動によって行われてきましたが、無から生まれたデータの移動でも十分人間が生活できる効率的な世界の構築に貢献できるような仕事が尊敬を集めて、人の生活も豊かにしていくのではないかと感じ、そのような企業を目指したいと思います。以上です。

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