こんにちは、量子コンピュータはいろんなことを言う人がいて、何を考えればいいかわかりませんね。blueqat社は現在非常に明確な基準を持って量子コンピュータ業界で仕事をしています。それをベースに次を占ってみます。
NISQは速度を出すのが厳しい
量子コンピュータではこれまでエラーの多い小規模なマシンであるNISQという、将来的な理想的な量子コンピュータではないものが使われてきました。NISQではエラーが多いため、既存コンピュータとのハイブリッドで利用します。しかしハイブリッドでは近年速度が出なく、量子コンピュータとして利用するメリットが極めて低いということがわかってきました。その次の解決が必要です。
FTQCに取り掛かる
これに対する具体的な対応策は誤り訂正であり、エラーの多い量子ビットを複数集めて論理量子ビットと呼ばれるエラーの少ない量子ビットを作成します。これによりエラーを減らすことで、新しいアルゴリズムを実行できるようになります。この誤り訂正ありの量子コンピュータはエラーありの量子コンピュータNISQと対応してFTQC(Fault Tolerant Quantum Computer)と呼ばれます。今後はIBMやGoogleをはじめとして各社FTQCのハードウェアの実現に向けて開発がすでにスタートしています。
FTQCアルゴリズム
FTQC向けのアルゴリズムはある程度めどがついています。現在のNISQ向けのアルゴリズムとして、量子化学向けのVQE、組合せ最適化向けのQAOA、金融シミュレーション向けのQAE、機械学習のQCBMがあります。このうち、明示的にハイブリッドはVQE、QAOA、QCBMですが、QCBMのFTQC向けはいまだめどがありません。VQEとQAOAはそのもととなったアルゴリズムがあり、それぞれQPEとQATEを利用できます。今後はこのFTQC向けの新しいアルゴリズムの開発が本格化しますが、NISQでの知識は当面役立つと思われます。
本格的な開発に必要なこと
私見ですが、今後本格的なアルゴリズムの開発がスタートしますが、量子化学向けはQPEを利用予定で、固有値問題を位相を使って解決しますが、入力の量子状態をVQEの知識を使って近似波動関数などを用意する必要があります。また、QAOAを利用することで、量子断熱時間発展QATEのスケジュールを推測することができます。QAEはもともとほぼFTQC向けだったのでそのまま利用され、QCBMはしばらくハイブリッドでいくでしょう。
しばらくはNISQの知識の延長にさらにFTQCをくっつけて開発というのが2年ほど続くと思います。ぜひ学習してどんどん進めましょう。