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量子コンピュータデータサイエンティストへの道

Yuichiro Minato

2021/02/19 13:17

#量子コンピュータ #機械学習

データサイエンスとビッグデータって大事ですよね。 今日は量子コンピューターの世界でビッグデータを扱うための量子データサイエンティストについてお話をしたいと思います。

近年の量子コンピュータのアプリケーションはハミルトニアンと呼ばれている定式化ベースのアプリケーションからデータサイエンスへとだんだんと移行をしています。

また Amazon やマイクロソフト社などの提供するパブリッククラウドと呼ばれるクラウド環境の中でも特にデータサイエンスや機械学習のシステムとの相性が良いです。

そのため今後量子コンピューター業界のアプリケーションは社会問題などのデータ処理やビッグデータ関連の話題が増えていくと思われます。

そもそも量子コンピュータで扱うのは、これまでのコンピューターが扱ってきたデジタル計算ではなく、新しく量子計算と呼ばれる分野を使って波動関数や状態ベクトルを扱った計算が主です。データサイエンスもこれまでの0と1を使ったデジタル計算とは一線を画して、新しく状態ベクトル適用したデータサイエンスを構築する必要があります。

現在の量子コンピューターを利用したデータサイエンスは、まだまだ未完成です 。量子計算の特徴である量子の重ね合わせや量子もつれを利用したデータサイエンスは、現在のデジタルのデータサイエンスに対する優位性はまだ不明確です。

それでも次世代のコンピューターを利用したデータサイエンスは現在のコンピューターの弱点である消費電力や熱の問題を解決するために、必要不可欠なものとなってきました。

既存のコンピューターの機械学習や人間の脳の神経伝達を人工的にもしたニューラルネットワークなどのモデルは必ずしも量子計算上で効率的に再現できるとは限りません。ニューラルネットワークなどのモデルは量子回路上では効率的に活性化関数などの非線形の関数を再現することができず、計算手法として有用とは思いません。

量子コンピューターのデータサイエンスには量子コンピューター専用のモデルを構築する必要があり現在世界中でモデルの構築や探索が行われています。現在の量子コンピューターはエラーがとても多いことから、量子古典ハイブリッド計算と言って量子コンピューターと古典コンピューターを直列に繋ぎ交互に計算をしながら最適化を行って値を求めていく手法が主流です。量子古典ハイブリッド計算は量子コンピューター単体で使った時に対して速度の向上面で課題があります。 また本当に量子古典ハイブリッド計算を続けて既存のコンピューターや量子コンピューターに対して速度面やコスト面で優位性があるかどうかがまだ結論が出ていません。それでも私たちは量子コンピューターの利用方法を探索するために現在このような量子古典ハイブリッド計算をベースとする機械学習の利用方法の探索を行わなければいけません。

現在世界中で量子コンピューターが活用され始めています。 これまで米国中心であった量子コンピューターのアプリケーション探索の幅は世界中に広がっており今後中国が大きく参戦してくると思われます。特に各国注目しているのが現在このパフォーマンスが出るかわからない機械学習データサイエンスの分野であり膨大なデータをより効率的に量子コンピューターを利用して処理できるかどうかが勝敗の決め手となりそうです。

2015年以降米国を中心に世界中で研究開発が行われてきた量子コンピューターのアプリケーションは量子化学計算や組み合わせ最適化問題などのハミルトニアンと呼ばれる定式化を中心とした計算でした。 ただこのハミルトニアンの計算は速度面、精度面において課題が残ります。 また上記ハミルトニアン計算以外では金融計算で注目されている量子振幅推定などの計算ですが、こちらも現在では優位性が確保されておらず実機での実行も難しいものとなっています。

現在消去法で考えてもハミルトニアンベースも量子計算もしくは量子振幅推定実行が難しいこともあり量子機械学習へ移行するのはごく自然な流れとなっています。これらは2012年から始まったカナダのD-Wave社が発表した量子アニーリングのマシンの活用においても同様な流れがあり、当時2017年段階では組み合わせ最適化問題の実行が現実的に難しいという結論に至り、最終的に量子機械学習へと移行した流れがありました。

現在の超伝導量子ビットをベースとする量子ゲート方式の量子コンピューターのソフトウェア活用はハミルトニアンベースの量子化学計算や組み合わせ最適化問題が難しいまた量子振幅推定などの汎用アルゴリズムを実装がまだ困難ということもあり量子古典ハイブリッド計算の機械学習が唯一の選択肢となりそうです。

今後量子古典ハイブリッドの機械学習が実行が難しいとなっても量子コンピューターのハードウェアの量子ビット数を増加させることによって量子誤り訂正と呼ばれるエラーを低減するような仕組みの実装が優先されアプリケーションも量子古典ハイブリッドのハミルトニアンベースの計算から移行していくことを考えられます。 それらは現状の量子古典ハイブリッド計算をベースとした機械学習が一段落した段階で実行されると想定され約3年後ぐらいから本格的に研究開発が進むと思われます。 2021年から2023年程度の時はこれまでの量子古典ハイブリッド計算のハミルトニアンベースの計算と次世代の量子汎用アルゴリズムの実装量子誤り訂正を含む次世代の量子コンピューター向けのソフトウェア開発など様々入り乱れた状態になると考えられます。

どの方式を採用し何の計算をするかは各社の事業戦略や目的に合わせて考えられます。 よって量子コンピューターを利用してどのように量子コンピューターを活用するかは、各社の事業戦略に合わせた形で組み立てられるますが、必ずしもハミルトニアンベースの計算が採用されるとは考えにくく、結果的には社会問題を実装したデータサイエンスや機械学習に注目が集まると思われます。

量子コンピューターの本格活用が始まるのは量子コンピューターのハードウェアがより発達した段階と考えられ、まだまだ既存のコンピューターが十分に利用可能かつ性能もまだまだ伸びる段階では、すぐに量子コンピューターへと切り替わることはないと思われます。 今、量子コンピューターは活用している企業は今後10年後もしくは今後15年後を見越した活用を想定していると思います。

2021年段階では量子古典ハイブリッド計算と呼ばれる量子コンピューターと古典コンピューターを両方学ぶ必要があり量子計算と古典計算の両方のスキルを統合した形での知識が必要となります。主に利用されるプログラミング言語はパイソンと呼ばれる業界標準のものとなっており今後 JULIA などの新しい言語なども活用されると想定されます。現在量子古典ハイブリッド計算における機械学習を学ぶ人は将来的な量子コンピューターと既存のコンピューターの機械学習の両方を学ぶ必要がありスキルとしてはちょうど中間に属してると思われますので比較的潰しのきく立ち位置にいるのではないでしょうか。

あまり他人にはリスクを取るような行動は推奨できないので量子コンピューターと古典コンピューターの両方のいいところを取れるような量子機械学習を学ぶという活動は、将来的にも現在も仕事としては損をすることがない報われる分野ではないかと思います。次の3年は量子コンピューターと古典コンピューターの両方の機械学習を活用することによって、時間を無駄にすることなく学びを最大限自分の価値にすることができる年になると思います。

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