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24年4月の量子コンピュータ業界の動向がよくわからんというので書いてみました。

Yuichiro Minato

2024/04/17 15:18

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昨年から量子コンピュータ業界は大きな転換期に入りました。これまで人類には難しすぎるという量子コンピュータはみんなで四苦八苦しながら開発をしてきたと思います。具体的な沿革としては、

1、2012年に簡易型量子コンピュータみたいな量子アニーリングマシンが出る。

2、量子アニーリングマシンは2016年をピークに2018年ごろに廃れる。(デスクトップパソコンと大差ないことがわかる)

3、その代わりに第一世代のNISQと呼ばれるエラーあり量子コンピュータが流行る。(この時点で一旦リセット、NISQは量子と普通のコンピュータのハイブリッド)

4、2019年にGoogleが量子超越を発表スパコンで1万年かかる計算が200秒と発表。(しかし実はその後1万年もかからないで数百秒程度で計算できることがわかる)

5、NISQも2019年をピークに、2021年ごろに廃れる。

6、NISQがダメなら本格的な量子コンピュータであるFTQCを覚悟決めて作らないといけないですねとなる。でも、そんなFTQCは数十年かかるからその間業界耐えられなさそう。そもそも人類に本当に作れるんですか?

7、ハーバード大学のチームがFTQCみたいなものを2023いきなり発表。だんだん現実を受け入れる人が増える。(できた人がいるなら次行くか、、、でリセット)

人類に作れなさそうな量子コンピュータ、しばらく無理だろうということで、国のムーンショット計画ですら、

https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/sub6.html

2030年までにNISQ開発と誤り訂正実証、2050年までにFTQCという目標ですが、2030年の目標が2023年に誤り訂正が実現されてしまいました。

NISQは実は理論的な裏付けがないことは最初からわかっていて、ハイブリッドは未知数でした。しかし2021年ごろには速度向上は見込めないということが業界内でだんだんと認知されてきて辞める人が増えてました。かといってFTQCもないので、どうにもならんという感じでダラダラやっていたところ、FTQCの機運がいきなりきて、NISQを頑張ろうとしていた人たちにいきなり冷水を浴びせることになったのが今です。

https://www.hpcwire.com/off-the-wire/quera-unveils-ambitious-roadmap-for-error-corrected-quantum-computers-through-2026/

しかも、FTQCを実現したマシンはこれまで開発されてきたマシンと全然違うタイプのもので、FTQC向けにアーキテクチャが有利なものとなっていたので、これまでのNISQマシンを使ってFTQCを実現するというロードマップが一気に崩れてしまいました。

簡単にいうとブレイクスルーが起きたのですが、既存で量子コンピュータのハードやソフトウェアを開発してきた人たちはいきなりのブレイクスルーの前にどうすることもできず、業界唖然という感じです。図らずリセットされてしまった業界が今後どのように立ち直って進んでいくのか各国の動向が気になるところです。

フランスなんかはかなり行動が早く、これらのFTQCに対してきちんと対応できています。ドイツなども。米国も散々投資してきた分野と新興の間で多少の葛藤はありそうですが力でねじ伏せる勢力と、悪あがきもすごい規模で行われています。中国はアリババとバイドゥが量子を撤退し、今後はどうなるか不明です。

https://spectrum.ieee.org/china-quantum-computer-alibaba-baidu

NISQハイブリッドとFTQCはソフトウェアが全然違います。FTQCアルゴはある程度予想はされていたのですが、実際のマシンでそれが動くかどうかは別問題で、全く先が見えない状況になりました。今はお通夜状態ですが、今後爆発的に人気が出る可能性もありますが全く今の段階ではわからない状態で、今後どのように盛り返すのか期待です。

暗号に関しての言及が多かったのですが、NISQは暗号は苦手なことはわかってたので、控えめでしたがFTQCはさらに暗号解読の危険性は大きく増すので、今回のブレイクスルーが暗号に及ぼす影響は悪い意味でかなり活発化します。FTQCで実現できる暗号関連のアルゴリズムは結構本格的なものが多いので、その辺りも活発化しそうな気がします。

いいんだか悪いんだかわからないですが、LLMにしろ量子コンピュータにしろいろんなブレイクスルーが起きてついていけません。

以上です。

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