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イオントラップ型量子コンピュータのIonQ実機で組合せ最適化問題を解くQAOAでmaxcut実行してみた

Yuichiro Minato

2021/07/05 15:47

#IonQ #QAOA #組合せ最適化問題

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今回はQAOAについて確認します。量子ゲートで組合せ最適化問題を解きます。まずはblueqat cloudでの計算を確かめます。
https://blueqat.com/gyu-don/87fcb9ce-f5c2-4f9e-8697-191c8781d70b

from bqcloud import load_api from bqcloud import Device from blueqat import Circuit import math #apiキーを読み込みます api = load_api()
#回路を書いてみます。rxxゲートを使ってpi/2の角度をしてすることでもつれを作ることができます。 qc = Circuit().rxx(math.pi/2)[0,1]
#まずはシミュレータで実行 qc.m[:].run(shots=100)
Counter({'00': 46, '11': 54})
#次にIonQの実機で実行します。 qc = Circuit().rxx(math.pi/2)[0,1] task = api.execute(qc, Device.IonQDevice, 10)
#タスクが処理されました print(task.status())
Status.QUEUED
#結果を表示してみます result = task.wait(timeout=3600) if result: print(result.shots()) else: print("timeout")
Counter({'00': 5, '11': 5})

無事計算結果が出ました。では、IonQでQAOAをやってみます。

まずは簡単な式から、3つの頂点のmaxcut問題を考えてみます。
3つの頂点を考え、辺の重みをすべて1としてみます。

定式化はイジングモデルを考えます。ハミルトニアンという式を作ります。頂点に量子ビットを割り当て、それぞれの値が1もしくは-1を取るとします。

定式化は、

Hc=Z0Z1+Z1Z2+Z2Z0H_c = Z_0Z_1 + Z_1Z_2 + Z_2Z_0

と置くことができます。Zの前の係数はそれぞれ辺の重みに対応しています。

次にもう一つ定式化を準備する必要があります。それが、解を探索するためのミキサーです。これは通常では一番簡単なXを利用します。

Hinit=X0+X1+X2H_{init} = X_0+X_1+X_2

上記定式化においてもう一つ準備する必要があるのが、HinitH_{init}に対応した固有状態である重ね合わせ状態です。こちらは、アダマールゲートを適用することで作ることができます。

そして、量子状態を時間発展させます。時間発展させる式は、時間tに対して、ハミルトニアンを少しずつ入れ替える操作を行います。時間発展は、

ψt+1=Uψt\mid \psi_{t+1} \rangle = U \mid \psi_t \rangle

かけるハミルトニアンは、上記の二つのハミルトニアンを入れ替える過程の、

Ht=sHinit+(1s)HcH_t = s*H_{init} + (1-s)*H_c

で時間発展演算子eiHte^{-iHt}を利用します。

トロッタ展開やらほにゃほにゃすると、QAOAを利用した回路は、p=1という1ステップで解く回路は、

|0> --H--RZZ(beta)-------------RZZ(beta)--RX(gamma)--
         |                     |   
|0> --H--RZZ(beta)--RZZ(beta)--|----------RX(gamma)--
                    |          |   
|0> --H-------------RZZ(beta)--RZZ(beta)--RX(gamma)--

こちらのbetaとgammaを最適化することで回転角を求めて実行することができます。 もともとblueqatにはQAOAを実行する機能があります。この回路のことをAnsatzと呼びます。

from blueqat.pauli import Z from blueqat import vqe hamiltonian = Z[0]*Z[1] + Z[1]*Z[2] + Z[2]*Z[0] result = vqe.Vqe(vqe.QaoaAnsatz(hamiltonian, 1)).run() print(result.most_common(12))
(((1, 0, 0), 0.162033015432909), ((1, 1, 0), 0.162033015432909), ((0, 0, 1), 0.162033015432909), ((0, 1, 1), 0.162033015432909), ((0, 1, 0), 0.16203301543290893), ((1, 0, 1), 0.16203301543290893), ((0, 0, 0), 0.013900953701272978), ((1, 1, 1), 0.013900953701272978))

回路を確認する機能があります。

result.circuit
Circuit(3).h[:].cx[0, 1].rz(-25.930489083659825)[1].cx[0, 1].cx[0, 2].rz(-25.930489083659825)[2].cx[0, 2].cx[1, 2].rz(-25.930489083659825)[2].cx[1, 2].rx(0.4578213663591716)[:]

rzzは以前はcx,rz,cxの組合せで書かれていました。こちらの回路の状態ベクトルを確認してみると、

beta = -25.930489083659825 gamma = 0.4578213663591716 Circuit(3).h[:].cx[0, 1].rz(beta)[1].cx[0, 1].cx[0, 2].rz(beta)[2].cx[0, 2].cx[1, 2].rz(beta)[2].cx[1, 2].rx(gamma)[:].run()
array([-0.02214869+0.11580323j,  0.27513225-0.29382863j,

        0.27513225-0.29382863j,  0.27513225-0.29382863j,

        0.27513225-0.29382863j,  0.27513225-0.29382863j,

        0.27513225-0.29382863j, -0.02214869+0.11580323j])

rzzで書き直したものと比較してみると、

Circuit(3).h[:].rzz(beta)[0,1].rzz(beta)[0,2].rzz(beta)[1,2].rx(gamma)[:].run()
array([-0.02214869+0.11580323j,  0.27513225-0.29382863j,

        0.27513225-0.29382863j,  0.27513225-0.29382863j,

        0.27513225-0.29382863j,  0.27513225-0.29382863j,

        0.27513225-0.29382863j, -0.02214869+0.11580323j])

同じですね。IonQは基本のゲートにrzzやrxxを利用するので、こちらのほうがqaoaが簡単にきれいに書けました。では、さっそく実機にかけてみます。

task = api.execute(Circuit(3).h[:].rzz(beta)[0,1].rzz(beta)[0,2].rzz(beta)[1,2].rx(gamma)[:], Device.IonQDevice, 100)
#タスクが処理されました print(task.status())
Status.QUEUED
#結果を表示してみます result = task.wait(timeout=3600) if result: print(result.shots()) else: print("timeout")
Counter({'110': 19, '101': 19, '100': 18, '001': 16, '011': 13, '010': 12, '111': 2, '000': 1})

以上、IonQの実機でqaoaが実行できました。思ったよりも精度が高いです。

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