量子コンピュータが流行ってますよね!今日紹介するのは、2018年のarxiv論文ですが、
99.992% 28Si CVD-grown epilayer on 300 mm substrates for large scale integration of silicon spin qubits
https://arxiv.org/pdf/1807.04968.pdf
フランスのLETIが出しているシリコン量子コンピュータ向けの300mmのシリコンウェハーですが、核スピンを除去した28Siの同位体を高純度で利用したものになっています。現在急速に注目が集まり開発が加速しているシリコン量子コンピュータにおいて、スピン量子ビットと呼ばれる電子を利用したマシンにおいて必須の技術となっています。今後の量子コンピュータの産業化に向けて現在、急ピッチで各国が開発加速をしています。現在国内では、シリコン同位体の高純度ウェハーが不足していて量子コンピュータのハードウェアの産業化が遅れています。
2023年から2025年ごろに登場すると思われる新型の量子コンピュータは半導体技術を使って構築されており、その際に必須の技術がこのシリコンウェハーになります。
本論文では、28Siを濃縮度99,992%以上の高品質で膜生成されたとあり、これによって新型の量子コンピュータの開発も欧州や米国で加速しており、既存の半導体技術と並行して広範囲での産業化が期待されます。
すでに超伝導では冷凍機と呼ばれる冷却機器が北欧のbluefors社などにより一大産業となっており、研究用途だけでなく産業用途としての品質確保をするために投資が急ピッチで進んでいます。
オーストラリアのSQCは2023年のシリコンプロトタイプを発表しており、その前にシリコンバレーでは電荷型のシリコンマシンが稼働間近となっています。2029年までには産業として育つことが予想され、誤り訂正をされたFTQCでのシリコン量子ビットの登場が予想されます。
弊社は2018年に自社設計の超伝導量子ビットの開発に成功しており、外部からのハードウェア関連の委託事業も行っていました。2021年3月をもって超伝導の開発はやめてしまいました。ハードウェアの開発は本業ではないのですが、シリコン量子ビットの国内産業化の立ち上げのために今回活動を行っています。
画像:自社開発超伝導量子ビット、産総研クリーンルーム利用
日本の得意分野だと思うので、みんなでがんばりましょう!以上です。