顧客や株主様が増えてきましたので、まとめて現時点での新年度の方向性をお知らせします。
1、サーバールーム増強
現在自社のGPUクラウドシステムとawsのシステムを併用しています。今後もawsを利用しますが、自社のGPUクラウドシステムを増強してまいります。GPUの現在の利用状況としてはGPUクラスタサーバーのセットアップが今年の初めに完了し、提供が始まっています。V100GPUとA100GPUを中心に量子計算や機械学習に利用が進んでおり、明確に研究開発の加速が見られ、新規の企業との取引が伸びています。これまでは特定のアプリケーション領域を中心とした活用が主であったため、コンテナ管理のk8sシステムでのクラウドサービスの提供が主でしたが、今年度は利用形態がさらに広がっており、仮想サーバー・専用サーバーのような利用形態が増えているため、OpenStackのようなリソース管理のインフラを自社で構築運用することも検討する必要があります。
2、サーバー構成増強
サーバールームの個々のマシンについて、これまではIPMIやBMCの活用が不十分でしたが、今年に入ってインフラ周りのノウハウや運用が増強するにつれてインフラ管理面での要望が高まっており、全マシンをIPMI経由での管理に切り替え始めています。また、これまではGPUでの演算中心のマシン管理が主でしたが、各企業での活用シーンの広がりによりサーバー管理の増強が必要となり、RAIDをはじめとするストレージシステムの増強管理も必須となっています。
3、廃熱・電力管理
昨今の契約増に対応するため、電力の確保と廃熱の管理の必要が高まっています。通常のデータセンターと異なり、AIや量子計算向けのGPUクラスタの運用が主体のため、専用のシステムの設計や管理が必要となるため、引き続きサーバールーム構成や各種設計についても増強してまいります。また、騒音や電力の問題で独自のデータセンターの設置運用も引き続き検討してまいります。
4、請負契約を減らす
これまで売上の多くの部分を占めてきた請負の契約を今後はインフラの方にマンパワーを割く方針に変更しています。弊社パートナー企業も増えてきたため、ソフトウェアの請負開発を外部に委託し、弊社は上流設計管理に注力する方針です。また、コンサルティングのような戦略的な要望も増えているため、人員を全体的に請負から上流工程へと変更しています。請負に必要なツール類の提供は引き続き継続し、効率的な開発を支援します。
5、メディア・データベースの強化
Quantum Business Magazineのアクセス数は引き続き順調なため、メディアやデータベースなどは引き続き進めてまいります。特に企業から要望の強いデータベースや研究開発用の論文などのデータベース化、特に各種アプリケーションのベンチマークなどは安価によりスピーディーに提供できるように、共通化して情報提供を進めます。
6、オフィスのリモートワーク化の継続
開発においてはリモートオフィスの要望が高く、弊社のクラウドプラットフォームを通じた高火力のGPUクラウドを提供できるため、開発業務においてはクラウドを活用したリモートワークを継続します。本社の渋谷スクランブルスクエアではイベントの開催や打ち合わせ等の需要は高く、営業拠点として活用を継続してまいります。また、サーバールームに関しては運営負担にならない管理体制とコスト管理をより徹底する必要があります。
7、営業商品の開発、より機械学習・AI分野を強化
量子クラウドや機械学習クラウドなどは一定の需要があるものの、なかなかわかりづらいニッチな商品であるとわかってきています。弊社ではより営業として販売しやすい、一般に浸透する商品の開発を急務と考えて早期の開発を進めてまいります。営業商品としてより効率的かつ付加価値の高い商品を開発するため、直近で活用が可能な機械学習・AIを活用した一般的な商品を開発していきます。
8、学術的な研究から企業中心の研究開発へ
学術的な研究開発では企業として利益が取れませんので、上記営業商品の開発のためにより実用的な開発を進めてまいります。
このように様々な開発を進めていますが、
1、リモートワークの継続
2、サーバー設備投資と管理体制のさらなる強化
3、営業に強い新商品の開発
についてスピードアップしてまいりたいと思います。よろしくお願いします。