「量子コンピュータ業界の誹謗中傷にどう向き合うか──気持ちを軽くして進むために」
量子コンピュータ業界は、長い歴史を持つHPC(高性能計算)の世界に属することが多く、その中で新規参入者や異分野からの挑戦者が既存の研究者から攻撃を受ける場面も少なくありません。SNSでの誹謗中傷や過度な揶揄、さらには卒業生や下っ端を使った組織的な動きなど、残念ながら「あるある」な構図です。
しかし、その多くは本質的に研究費配分や領土争いが原因であり、外部からの成果が可視化されることを恐れる心理的な不安や弱さに起因しています。量子コンピュータは今後ますます汎用的なマシンとして広がっていくため、物理学業界における相対的な役割は小さくなっていくでしょう。こうした構図は日本に限らず、世界中で繰り返されています。
だからこそ、もし誹謗中傷や攻撃に直面したとしても、気にしすぎず、自分がやりたいことに集中できる環境を探すことが大切です。多くの相談が寄せられますが、これは「昔からある日常風景」であり、本当に大事なのは自分の研究や事業を着実に伸ばしていくことです。
量子コンピュータの世界はまだ発展途上で、理論で語られるような「理想の姿」は一つも実現できていません。だからこそ、失敗も試行錯誤も当たり前。周囲の雑音に惑わされる必要はありません。むしろ、未来を切り拓くのはこれから参入する人々の自由な発想と挑戦心です。
経験上、炎上や誹謗中傷は誰かがやらせている場合が多いです。誹謗中傷や攻撃をする人たちの共通項を見出して上流を突き詰めるのがこうした状況対応する有効手段です。
攻撃や中傷に囚われるのではなく、軽やかに受け流しながら、自分の信じる道を歩む。その姿勢が、業界全体の発展につながるはずです。