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月刊マテリアルステージ掲載の杉﨑先生の巻頭特集、材料開発と量子コンピュータを読んで

Yuichiro Minato

2022/02/17 04:39

化学は中学の頃に苦手になってまだ意識が取れません。ドメイン知識が多すぎてよくわからないというのが正直なところです。しかし仕事としてはよく来ますので、いつの日か習得したいと考えていました。そこで、最近いただいた月刊マテリアルステージを見てみると、基本的には組合せ最適化とあまり変わりがないのではという印象を受け、仕事としてできそうな気がしました。

特に全体概要として、先生の量子化学のテキストと合わせると多くの量子化学分野での前提とどの部分を量子コンピュータで解くかが明確になります。量子コンピュータ分野は全世界で競争が激しくなっていて、特定の分野に集中するのもいいですが、ゼネラリスト不足で、特に量子アルゴリズムとして複数領域に精通している人材となると不足しているのが現状です。量子化学が少しでも行けそうに感じましたので、サブ要素として取り掛かりたいと思います。

先に一部ネタバレというか、実用時期ですが、アンケートによると2039年ごろと書いてあります。一般的な内容は書いてありますが、細かい内容はぜひマテリアルステージをご覧ください。

材料開発の変遷について

正直現場はよくわからなかったのですが、これを見てすごいなと思いました(小学生並み)。原子・分子を直接見たり、分光技術で反応の途中家庭などが見れるなど、予測と観測を使って高度に材料開発がされているのだなと感じました。こうした化学反応を量子コンピュータを使って将来的に原子や分子レベルで計算ができると応用範囲が広いのも理解ができました。

基礎的なところ

普段量子コンピュータをやっているのでシュレディンガー方程式を用いて、ハミルトニアンからエネルギー固有値を求めるという流れは理解ができました。離散最適化の社会問題ではおもにハミルトニアンはコスト関数と制約条件からなりますが、量子化学では、電子のエネルギー、原子核のエネルギー、電子と原子核の相互作用、電子間相互作用、原子核間の相互作用など、基本的には式が違いますが、構成自体はわかりやすかったです。最適化計算と共通項が多いなと感じました。

ものすごい基本的な仕組みとして、原子核が+、電子が-として、引力で原子核に電子が近づくというのはわかりますが、必然的に電子が近接するので斥力が働いて計算が複雑になるというのが知れてよかったです。この電子相関はいわれてみればわかるのですが、化学が苦手なのでわかりえませんでした。

この電子相関を考慮した電子配置を線形結合すれば波動関数が導き出せるという方向性も理解ができました。となるとやはり課題としてはかなり難しい問題のように感じました。さすがにこれを解くのは至難のわざなので、電子相関のモデルを近似していくという流れがとても分かりやすかったです。

HF法

上記の電子相関モデルを1つの電子がその他の電子雲内を運動する近似を実行するが、電子の空間的な配置は分子軌道関数を用いて、さらに分子軌道関数は基底関数の線形結合で表現する。HF法によって、電子相関がないときの波動関数が得られて、そこから電子相関を追加で考えていくという理解をしました。

CI法

上記HFに電子相関を考慮するためにCI法を採用するが、CI計算における制約などが知れてよかったです。

その他大事なところ

一般の読者においてはこの後の量子コンピュータを使ってどのように高速化を実現するか、QPEやVQEの解説に入るが、そのあたりはさんざんやっているので普通にわかりやすかったです。まぁ、実際量子化学計算は量子位相推定アルゴと量子変分固有ソルバーのハミルトニアンの扱いや固有値の求め方がかなり異なるので、その点は離散最適化の量子断熱計算のほうがまだ楽かなと感じたくらいでした。

全体的にドメイン知識として各ステップを理解したうえで、VQEにおいては近似波動関数の作り方を覚えてどのように効率的に計算していけるかを実務で覚えていくという感じでできそうな気がしましたので、さっそく今日からトライしてみたいと思います。

ぜひみなさんも一読ください(簡単には読めなさそうですが)。

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