量子コンピュータとブロックチェーンのかかわりも気になりますよね。年末までにいくつか暗号資産やブロックチェーン周りも調査をしてみたいと思います。今回は第一弾として、NFTでアート作品を作ってみました。
NFTはNon-Fungible Tokenの略で、非代替性トークンと呼ばれ、メインの暗号資産の仕組みを活用したトークンの一種となっています。デジタルデータに所有権をつけることができます。また、アートのように売買もできることから、現実のアート業界のような仕組みがオンライン上のデジタルデータに対して起こっています。
今回は勉強のためにNFTを作ってみました。NFTをつくるには、売買プラットフォームを選び、通貨を選びます。今回は一般的なイーサリアムを選んで、世界最大手のOpenseaというプラットフォームを選んでみました。Openseaと手持ちの暗号資産を保管するウォレットをつなげるだけで簡単にデジタルアートを作ることができました。
自分は量子コンピュータを生業としているので、おのずとアート作品は量子コンピュータ関連となります。前職は隈研吾建築都市設計事務所というところでアートやデザイン、美術館の設計などを行っていたので、アートやデザイン業界にはなじみがあり、NFTプラットフォームのアイデアもとても分かりやすいものでした。
Openseaでは、イーサリアムという暗号資産をベースにNFTを生成できます。画像や動画を準備し、サムネイルを準備して、作品のコンセプトを書きます。あとは値段を決めますが、NFTのアート作品を作り出すのに、イーサリアムではGAS代という手数料がかかりますが、最近の価格高騰を受けて、アート作品を作るのに1つあたり1万円近くかかってしまいます。今回はお試しですのでpolygonというサイドチェーンを活用してみました。ただ、サイドチェーンは値段が安く作れるのと引き換えに売買やメンテナンスが面倒という弱点があり、今後はお金をためてメインチェーンでやってみたいと思います。
ちなみに今回の暗号資産のプロジェクトはyoutubeのチャンネル収益からだしており、動画広告の収益から暗号資産に投資という21世紀的な動きを実現しています。
今回は総務省の異能vationで作った量子アニーリングのシミュレータの動画をNFTとしてみて、値段を0.1ETHとしてみました。イーサリアムは値段が高いので今はアート作品もおのずと値段が高くなります。
NFTやブロックチェーンは電力を消費しますので、あまり環境に良くない、昨今の異常気象に対してCO2を過剰に排出すると一部非難されるようになってきたようです。量子コンピュータは最近消費電力の低下に大きく貢献できるということもあり、ブロックチェーン業界に対してもいい影響を与えることができるのではないかと感じました。
NFTやブロックチェーン業界は、いま私たちが働いているような機械学習や量子コンピュータの業界とは全く違う空気を感じました。完全デジタルで完結してしまうので、好きな人は好きな空気感ではないかと考えました。家で一日画面に向かって生活している人はブロックチェーンの世界やメタバースと呼ばれる仮想世界のほうが好きな人もいるのではないかと、今後の技術の進む方向性をまた一つ肌で感じることができるトライアルでした。
以上です。