## 1. 序章：量子コンピュータと「冷やす力」

量子コンピュータは、量子ビットが繊細な状態を維持するために**極低温環境**を必要とします。特に半導体量子ビットでは、**サブケルビン（1K未満、数百mK帯）**での動作が標準となっています。

これまでは「希釈冷凍機」がその役割を担ってきましたが、装置が巨大で高価、さらに**ヘリウム-3（He3）の大量消費**が避けられず、量産・普及には大きな壁となっていました。

しかし今、住友重機械工業の**4K-GM冷凍機**と、新方式の\*\*連続サブケルビン冷却モジュール\*\*を組み合わせることで、量産時代にふさわしい冷却インフラが現実化しています。これは量子コンピュータを「一部の研究室の専用機」から「世界中のデータセンターに並ぶ装置」へと押し上げる基盤技術です。

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[有料記事] 量子コンピュータをデータセンターに納入可能に ― サブケルビン冷凍技術と量子コンピュータ量産の勝者

Yuichiro Minato