こんにちは。量子コンピューターの開発環境がおもわしくないため、弊社では大きく事業の方針変換をします。これは世界的な流れに沿っており、多くの企業が実行していることであり、弊社でも実践して行ってみたいと思います。
これまでは量子コンピューターは一見流行っているように見えたため、研究開発費がふんだんに投資されていましたが、最近では生成AIの方が重要視され、実際私も霞ヶ関の知り合いに聞いたところ、あまり期待してないと言われてしまいました。 理由は米国量子ベンチャー企業の失敗であり、投資をしてもあまりリターンがないということが広く知れ渡ってしまったからだと思います。
そんな中、弊社では重要視しているのは、量子機械学習と呼ばれる手法で、こちらはガートナーのハイプサイクルの日本版でも2023年に新規に量子コンピューターと別途に登場しています。
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20230817
現在量子コンピューターは幻滅期にあり、その実用性に関して非常に多くの疑問があります。また継続的な研究開発は必要だと思いますが、それは基礎研究の段階であり、弊社のような応用研究や実用化と言う企業にとっては遠い未来の話となっています。実際10年20年と呼ばれるような長い時間がかかるような実用化が必要であり、GPUを利用すれば、量子もつれが少ない状況であれば、数千量子ビットのFTQCの計算ができるになってしまいました。 量子もつれがあまりないような問題であれば、こうしたGPUを利用したテンソルネットワークの計算によって、数千量子ビットの計算ができるになってしまったため、かつこうした手法はFTQCと呼ばれるエラーなしの手法 となっているため、こうした手法に打ち勝つためには、実際の量子コンピュータでより量子もつれが多い系で50量子ビット以上を作る必要があります。つまり完璧なFTQCで50量子ビット以上のマシンを完璧に作る必要があると言う風な見立てになるかと思います。そうしたようなハードウェアの実現と言うのは5年10年で行うような事は難しく、今後非常に長い時間がかかることから、GoogleやIBMは実用化を後倒しにしていると思います。
そんな中、量子機械学習としては、弊社はNVIDIA社のGPUを利用した大変力を入れています。こうした低量子もつれ計算は量子コンピュータでなくても行うことができます。その考え方をGPUの計算に落とし込むことによりニューラルネットワークと統合し、多くのアプリケーション動かすことができるため、弊社ではこの方針を採用することにしました。
巷で流行っているアニーリングに関しても、量子コンピュータ自体や量子アニーリングマシンの実用化はかなり厳しいと感じていますが、そうした陣営も、GPUなどの最新型の古典コンピュータを利用して、計算を高速化しようと言う試みを行っていると思いますが、弊社としては、量子機械学習の観点から、量子コンピュータを捉え、そちらの事業化を進めることにしました。 アニーリングや量子アニーリングに関しては、できるだけ社外で取り掛かってもらうようにすると言う方針になっています。
さて、ハードウェアですが、GPUをたくさん調達する必要があります。ニューラルネットワークや量子計算といった観点から、エヌビディア社のGPUを調達し、これらのものをお客様に提供すると言うクラウドシステムの強化を行っています。またネットワークやストレージなどの基本的な環境の構築など、これまで以上に本格的なプロジェクトが増えているため、全体的にクラウドの安定化と言うところに最大限のリソースを入れてきたいと考えています。
弊社のコンサルティング事業としましては、アプリケーションのコンサルティングや納品等の基本的な実装や納入は、すべてこうした量子機械学習を中心に行おうと思います。量子機械学習でしたら、古典機械学習と非常に親和性が高く、こうした機械学習の実装計画のようなものと非常に親和性が高いため、本番環境での運用等を含めた多くの環境で量子計算や機械学習を利用できると思います。 全て機械学習ベースの量子計算と言う形で採用するため、特定ドメインの採用は行わず、特定ドメインに関してお客様との担当者と一緒にモデルの改善や最適化などを進めていくと言う方針にしたいと思います。
GPUに関してはデータセンターが必要です。現在日本ではAIデータセンターがあまりないため、こうしたノウハウ蓄積されていないため、弊社でも一般のデータセンターを含めた納入が厳しくなっています。コスト面から判定面から自社のクラウドサービスを大変伸ばす必要があります。そのため、自社でのGPUの獲得や運用等を整備するための人や環境を整えていきたいと思っています。
半導体量子コンピュータに関しては継続して開発を行っていきたいと思います。弊社では半導体方式の量子コンピュータの登場により大きく状況が変わると感じていますので、こうした半導体の量子コンピュータの開発を主導していきたいと思います。もちろん弊社はソフトウェア企業ですので、ハードウェアと言うところに得意なところは無いのですが、現在の環境で日本が半導体に乗り遅れると大変痛いと言う現状があることから 国の威信をかけて、こうした対策をしたいと思います。
また、弊社では広告分野などのマーケティング分野にも大きく貢献したいと思っています。昨今の生成、AIの登場により、これまでの広告マーケティング分野の勢力が大きく変わるような感じになってきてます。現場の広告などの効果測定を含めたクリエイティブ環境の大きな変化に、弊社は、この状況で新しい技術をベースに量子計算と深層学習でがんばってきたいと思います。
このタイミングで、弊社は入門的な量子計算の教育分野においては、日本量子コンピューティング協会に全てお任せしたいと考えています。またこれまで提供してきたメディアに関しても、今後はQuantum Computing Report日本版にすべてをお任せしたいと考えていますので、弊社では量子機械学習及びGPUを利用した研究開発、そして広告マーケティング分野でのアプリケーション提供と言うところに集中したいと思っています。
研究開発に関しては、これまであまり表に出すことがなかったですが、東京大学を中心としたチームを構成していますので、今後は東京大学を中心として活動をしたいと思いますし、成果発表や量子計算等の発表に関しては、海外のカンファレンスなどを中心にチーム一丸となって、量子計算と今後は深層学習や機械学習のカンファレンスにも登場したいと思います。以上です。