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[論文紹介] 量子コンピュータ向けなどHOBOを利用したピタゴラスの定理の数理解法

Yuichiro Minato

2024/08/22 07:46

ピタゴラスの定理は、三平方の定理とも呼ばれ、三角形の各辺の長さに関係する古典的な数学の定理です。具体的には、直角三角形において、直角を挟む2辺の長さ xy を用いて、斜辺 zx^2 + y^2 = z^2 という関係を満たします。これを満たす整数の組 ((x, y, z)) をピタゴラス数と呼びます。

この問題に対して、量子コンピュータに対応した最適化手法として、QUBOを拡張したHOBOを利用することで効率的に探索できることを示しています。

Numerical Exploration of the Pythagorean Theorem Using HOBO Algorithm
Shoya Yasuda, Naoaki Mochida, Shunsuke Sotobayashi, Devanshu Garg, Yuichiro Minato

This paper introduces a novel method for finding integer sets that satisfy the Pythagorean theorem by leveraging the Higher-Order Binary Optimization (HOBO) formulation. Unlike the Quadratic Unconstrained Binary Optimization (QUBO) formulation, which struggles to express complex mathematical equations, HOBO's ability to model higher-order interactions between binary variables makes it well-suited for addressing more complex and expressive problem settings.

https://arxiv.org/abs/2408.11076

HOBOとは?

HOBOは、二進数(0と1)で表現される変数を用いて、より複雑な制約や目的関数を表現できる最適化の手法です。従来のQUBO(Quadratic Unconstrained Binary Optimization)は2次の項までしか扱えませんが、HOBOでは3次以上の項も扱えるため、より自然に問題を定式化できます。

ピタゴラス数問題のHOBO定式化

ピタゴラス数問題をHOBOとして定式化することで、量子コンピューターや古典的なHOBOソルバーを用いて効率的に解を求めることができます。これは特に、高次の項が必要とされる複雑な制約条件を持つ問題において、効果的です。

具体的には、次のようなHOBO定式化を考えます。まず、各辺の長さ x, y, z を2進数で表現します。そして、ピタゴラスの定理 x^2 + y^2 = z^2 を満たすように、目的関数を定義します。この目的関数を最小化するような解を見つけることで、ピタゴラス数を求めることができます。これまで最適化の文脈で主流だったQUBOでは、このような問題を扱うと問題に余計な量子ビットが必要になりなかなか解くのが大変でした。

量子コンピューターと古典ソルバーの活用

このHOBO定式化は、量子コンピューターを用いたアプローチとも親和性があります。量子コンピューターではHOBOを計算する仕組みが揃っています。また、古典的なHOBOソルバーも、特定の条件下で量子アプローチと同様に有効に機能します。

この研究により、ピタゴラス数の探索は単なる数学的な興味の範疇を超え、最適化技術や量子コンピューティングの実用的な応用例として注目できます。特に、HOBOを用いた定式化は、量子コンピューティングの発展に伴い、より多くの複雑な問題に適用される可能性があります。

結論

ピタゴラスの定理の問題をHOBOとして定式化することで、量子コンピューターや古典的なHOBOソルバーを活用し、効率的に解を見つけることができることが示されました。これは、量子コンピューティング技術の進展と共に、従来のアプローチでは困難だった複雑な問題の解決にも貢献する可能性があります。

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