こんにちは。こういう話を自分がする前にだれかしてくれると楽でいいんですが。光量子コンピュータの現状において世界のプレイヤーが増えてきました。主な開発国は、イギリス、オランダ、フランス、カナダ、米国、中国、日本です。基本的に自分は会社経営で忙しいので、経理や財務、人事、機械学習のプロジェクトやクラウド開発、論文などをやっています。光はあまり興味がないので、お任せをしていますが、あまりにも情報がないのですが、最近少し耳にしたことだけでも、業界全体がコンセンサスが取れてないのは光の方式でも意外と同じだったという感想を持ちました。
中国は光連続量での成果を発表
最近光量子で一番の注目は中国のGBSでの発表かと思います。スパコン富嶽で6億年かかるけいさんを200秒でという話でした。利用されているのは光のアナログ性を利用して光子の確率の分布を図るものでしたが、こちらは光連続量と呼ばれる手法がベースとなっています。
カナダのXanaduは光連続量
カナダのXanaduは8モードの光量子チップを発表していますが、彼らが出しているStrawberry Fieldsというツールについても、光連続量がベースとなっています。光連続量を見ると光量子コンピュータの発展はアナログ的な計算が主体なのかなと感じるところでした。
米国のPsiQは光連続量でない光量子ビット
ここまで来て素人の自分は光量子コンピュータをやるにはアナログ光連続量計算を学べばいいなとずっと思っていましたが、PsiQの話を聞いてガラッと変わりました。PsiQは現在評価額が3400億円の世界最大の光量子コンピュータベンチャー企業です。PsiQも当然光連続量計算に取り掛かっているかと思いきや、彼らは巨大資本を使ってアナログ計算を吹っ飛ばしてとりあえずデジタルの光量子ビットを実現しようとしていました。
大規模なもつれ状態からスタートし、2つの光の通路を使って量子ビットを表現するデュアルレールという方式を使い、測定型量子計算を利用した汎用型量子コンピュータの量子ビットと誤り訂正に向かって開発を行っています。モードを使う場合には、1モードに対して多値エンコードが可能ですが、そのモードのエンコードを01に制限し、2つの光の通路を使って光子の存在するほうの値を採用する方法を取っています。
結局光も混とんとしている
当然光量子も光連続量計算から光量子ビットのほうに向かう手順で進んでいるかと思いきや、PsiQはそのあたりを吹っ飛ばしていきなり誤り訂正にチャレンジしようとしているように見えます。正直ソフトウェアは不在に見えますし、測定型量子計算も最終的な正解かどうか全くわからないという状態に、光連続量との方式の違いでの学習コストの高さと光業界全体のソフトウェア人材の不足も加わり、全くどうなるかわからない状態に見えます。
こうした方式が定まらない状態というのはハードウェア黎明期によく見られますし、量子アニーリングや量子ゲートも同じような感じで進んできましたので、一つ一つ新規の開発とソフトウェア側での用途探索を丁寧に高速に行い、次のステージに進むのが業界一歩目かなと感じました。
黎明期の学習コストは高めですし、学んだことが無意味になる可能性もあります。光量子が得意な人が率先して物理としての光の特性と方向性を見定めて業界全体が固まるのを待つ段階で、素人の自分が登場する場面はあまり多くはないなと感じたのでした。そうはいっても全世界ではものすごい速度で光量子コンピュータ業界も発展していくと思いますので、取り掛かりたい方は思ったよりも苦労しそうだなと思いましたので早めの準備をお勧めします。以上です。