なんかすごいの出ました。QAOAにゼノン効果を用いた計算です。
参考
Portfolio Optimization via Quantum Zeno Dynamics on a Quantum Processor
https://arxiv.org/abs/2209.15024
では、さっそくみてみましょう!
ゼノン効果
量子ゼノン効果(りょうしゼノンこうか、英: quantum Zeno effect)とは、短時間内での観測の繰り返しにより、時間発展による量子状態の他状態への遷移が抑制される現象[1][2]。観測の頻度を高めていくと、究極的には時間発展が停まり、初期状態に留まり続けることを示唆するため、量子ゼノンパラドックスとも呼ばれる。量子ゼノンという名は「飛んでいる矢は観測している各瞬間で止まっている 」というゼノンのパラドックスに因む[1][2]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%82%BC%E3%83%8E%E3%83%B3%E5%8A%B9%E6%9E%9C
まぁ、結構理論的な枠組みかなとは思いますが、測定を短期で連続して行うと時間発展が進まないようです。
ポートフォリオ最適化問題
複数の資産の組合せでリターンを最大化します。通常制約条件と呼ばれる資産数の制約がつきますので、この制約問題をゼノン効果で解決しようという試みのようです。
QAOA
時間発展を利用して断熱計算を行いますが、パラメータが変分化されています。
ゼノンQAOA
こちらは制約条件を量子ゼノン効果を使って固定するようです。オラクルには制約を破っているか破っていないかで判断するものを導入しています。全部でN回測定するため、Nで変数が割られています。初期状態は重ね合わせ状態を準備、Ucは最終的に解くコスト関数ですが、Uc自体はRZとRZZで構成された対角行列のため、制約には影響しないため、UBのほうのみにゼノン効果が使われています。
検証
実際に制約がかかるようです。初期状態は|+>からスタートして通常はXYmixerなどで制約をコントロールしますが、今回は面白い物理現象を使ったものでした。回路は長そうですね。以上です。