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[ポエム] 量子技術の基礎を身につけて、量子の現在位置を把握しよう。ユーザー企業が袋小路にハマる理由。

Yuichiro Minato

2023/10/06 15:20

冷静に考えてみると2023年現在実用に耐えるような量子コンピューターのアプリケーションなどどこにもないことがわかります。そうしたものはアメリカの株式市場の株価に反映されており非常に低迷した株価となっています。 唯一IonQが値段が上がっていますが、他方同じゲート方式でも超伝導のRigettiは下がっているため、読みは全体的には難しくなっています。IonQ自体も最近はちょっと商業的なアピールがすぎると一部の研究者からは不満も聞こえますが、全体的にはよくやっている方だと思っています。今後は中性原子のベンチャー企業も増えますが、QuEraには大変注目しています。また、IonQと同じイオントラップのQuantinuumのHoneywellマシンもかなり技術力が高いため注目しています。

現在、こうした量子業界の中で、果たして本当に事業化に耐えるようなアプリケーションと言う観点で取り組むことができるのでしょうか。 実際には事業化には程遠く、教育などの事業を行っていたり、また、イベントを頻繁に開催し、イベント収益というところに期待していると言うベンチャー企業も増えていると思います。そうした現状を見るとアプリの実用化の観点では、あまり状況の事は変わってないのではないかなと思っています。

そんな中、企業はどこまで量子コンピューターに予算をつぎ込むべきなのでしょうか。ユーザ側として毎日のようにニュースとして出る量子コンピューターにほんとに予算つぎ込むべきかと言う判断は非常に重要です。一番よくきく事情が経営層が日本経済新聞やテレビで量子コンピュータを見たので、うちの会社も量子コンピュータをやらなくてはいけないのではないかということで現場に振る。そして現場は調べる。そうすると量子アニーリングは実用化に近く、量子ゲートは実用化が遠い。量子ゲートであっても小規模なシミュレーションで成果が出ているなどの様々なプレスリリースニュースを調べることになります。そうして判断をして行き詰まるというパターンです。これは80%ほどの企業に当てはまります。残りの20%は自分でやってみてやはりできないことを確認し、疑いを持って慎重に行動します。

そしてチュートリアルなどを見つけ、自分で量子コンピューティングなどを取り掛かってみるものの、ニュースで聞くようなきらびやかな実験結果はでません。全然計算しても成果が出ないと言うような現実に直面することになります。その時にまず現場の人が思うのは、もしかしたら自分の計算の仕方が間違っているのではないか、より良い方法があるのではないかと言うような疑問です。ニュースではいい結果が出てると言うことなので、やはり自分が間違ってるんではないかと頑張るわけですが、どうがんばっても結果が出ないと言うことで、企業に高額のお金を払って実行するわけですが、実際にはやはりできないというような状況です。

実際には現場の人が感じている肌感が正しいが、どうしてもニュースが頻発するのでと言うそういった事例が頻発しています。 そうした状況に一番割を食うのは現場の人です。実際実行して結果が出なければ怒られる。そして評価も上がらない。ニュースではうまくいってるじゃないかというわけですが、実際にはニュースの100%は誇大広告なので、そこで騙される。仕方ないので、なんとか辻褄を合わせてうまくいくように見せかけたとしても、実際にはうまくいってないので、やはりそれも後で問題になると言うふうにして、最初に量子のトライアルをスタートした時点で大きく行き詰まることがほぼ確定しています。

そうした状況に追い込まれるユーザー企業は非常にたくさんあります。現場の人たちの頑張りが報われないと言う事はモチベーションの低下だけでなく、企業の収益性にも大きな悪影響与えます。事業化や収益化がない場合、将来的な企業の価値を食いつぶすことになりかねません。 悪い失敗をしてしまったが、ために、実際に過去のトラウマからいっぽ踏み出せず、遅れをとって収益化を逃すと言う機会損失も考えられます。

今慣れている企業はそうした現状を知っていながら、折衷案としてまぁいいだろうと言うプレスリリースをうっておさめるというのがあります。実際量子コンピューティングに関して1つの事例としても成功した事例がでてきません。実際にそうしたプレスリリースをうった企業としても、もう2回目をしたくないと思っているでしょう。そうした状況がコンピュータを取り巻く環境であり、それを知っている多くの企業がそういった状況を嫌い、そのために、米国の量子企業の株価が低迷し、日本でもなかなか人材が育たない遠因になっています。

こうした状況を助長するのは、やはり高額な開発費となっていて、量子コンピューターを開発したり、アプリケーション開発には非常にお金がかかります。そのため、こうしたものが非常に大きなリスクとなって企業に降りかかっているのです。もし開発費や教育費が安ければ、こうしたリスクを背負うことなく、正しく判断する人がどんどん増えていけば、こうしたいびつな状況というのはなくなっていくと思います。今後、本当に量子コンピューターが箱物を脱出して使えるようになると言う時代が来るかもしれません。 そうした状況であるから、多くの人が少ないニュースに騙されてしまう状況があると思います。少しでも多くの人がそして少しでも多くの地域がそうした自分で判断できる知識と技術を習得していれば、こうしたニュースに踊らされることがないと思います。

今回広島に出張して非常にその辺を感じました。やる気に満ち溢れる。そして期待感に胸を膨らませると言う人たちを、これまで量子業界は多く裏切ってきました。結局はそうした期待感も政治的にも利用され、本当に業界が発展してると言う状況では全くありません。 その対策として2つほど考えています。1つはニュースを細かく習得する。できるだけ多くの情報が手に入れば多角的に物事を把握できます。まだこれだけの進捗なのか、これだけ進んでるのか、毎日の情報収集が非常に重要です。

もう一つは技術を習得する。そうした量子コンピューターの技術を自分たちできちんと把握、できれば誰がニュースを伝えたとしても、自分自身で正しく把握ができます。日本量子コンピューティング協会に期待をするところは、こうした全国各地に、自分自身のスキルと知識で量子コンピュータを客観的に判断できる人が増えればより低コストで学習でき、より低コストでアプリケーションが開発でき、そしてこうしたニュースをやらされて袋小路に入る企業が減ると思います。企業の中で量子コンピューターに取り組み、その結果として袋小路に入る事は、その人の人生やその人の評価にとってプラスとは言えないと思います。他人の人生など知ったこっちゃないと 乱暴に量子コンピュータを普及させようとする人もいるかもしれません。実際自分と関係ない人がどうなったとしても関係ないわけですから。

一般社団法人として協会が量子教育や啓蒙活動に志を持って行う立場で取り掛かっていただけるというのは非常に期待をしています。できれば東京のような大都市主導ではなく、例えば九州などはある程度独立して量子に対する活動が完結しています。そうした日本全国各地、地域毎にきちっとコミュニティーを作り、量子の方向性に関して自分たちで判断し、運営できるような体制が必要です。現在全国各地回ってきました。そうした体制が整っているようなエリアというのは、 九州含めて数ヶ所もありませんでした。運良く現在は量子技術の踊り場です。大きな技術発展と言うのは10年後ぐらいに持ち越しと言うふうに想定されています。ですので、十分に学習する時間がありますので、そうした量子技術を正しく自分たちの判断の上で運営できるような体制を築く、絶好の機会かと思っています

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