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[レビュー]確定的Dicke状態生成

Yuichiro Minato

2022/11/02 13:21

本日はDicke(ディッケ)状態生成についてみてみます。用途はQAOAなどの組合せ最適化問題を実行する際、解の探索にXYミキサーなどを利用する際の量子状態生成としてハミルトニアンに対応した固有状態を作ることができます。量子もつれを使って探索すると部分空間探索ですむので正解率がかなり上がります。

Dicke状態生成はいろいろ提案されていますが、今回は古典ビットから指定のDicke状態を作る技法について確認します。
Deterministic Preparation of Dicke States
Andreas Bärtschi, Stephan Eidenbenz

https://arxiv.org/abs/1904.07358

最高のタイトルですね。

Dicke状態

こちらは下記の式で表現できます。

|D^n_k\rangle = (\begin{matrix}n\\k\end{matrix})^{-\frac{1}{2}}\sum_{x\in\{0,1\}^n, wt(x)=k}|x\rangle

n量子ビットあったときにそのうちk個が1で残りのn-kが0になっているもつれ状態です。例えば|D^4_2\rangleは、

|D^4_2\rangle = \frac{1}{\sqrt{6}}(|0011\rangle+|0101\rangle+|1001\rangle+|1010\rangle+|1100\rangle+|0110\rangle)

論文中ではSplit & Cyclic Shift ユニタリという操作を使って段階的に作っています。

今回利用するのは、古典的なビット列をDicke状態に変換するという方法を取りますが、SCSを使うことによって、うまく再帰的に計算ができます。

SCS_{n,k}は、量子ビットの最初の0を最後に移動させて全体の配列をずらす操作に対応しています。

|001\rangle \mapsto \sqrt{\frac{1}{3}}|001\rangle + \sqrt{\frac{3-1}{3}}|010\rangle

ビットの数が3、1の数が1なので、SCS_{3,1}は、元の配列に\sqrt{k/n}の係数をかけ、最初のゼロを最後に持って行って、全体の配列を前にずらした量子状態に\sqrt{(n-k)/n}の係数をかけるという操作です。これを再帰的に行うことでなんとDicke状態を作ることができてしまいます!
./img/1904-07358-pdf.jpg

引用:https://arxiv.org/pdf/1904.07358.pdf
ちょっと試しに作ってみます。

|001\rangle \mapsto \sqrt{\frac{1}{3}}|001\rangle + \sqrt{\frac{2}{3}}|010\rangle

次に一つずらしてみます。1がないときはそのままの状態になります。

\sqrt{\frac{1}{3}}|00\rangle \otimes |1\rangle \mapsto \sqrt{\frac{1}{3}}|001\rangle
\sqrt{\frac{2}{3}}|01\rangle \otimes |0\rangle \mapsto (\sqrt{\frac{1}{2}}*\sqrt{\frac{2}{3}}|01\rangle + \sqrt{\frac{1}{2}}*\sqrt{\frac{2}{3}}|10\rangle)\otimes|0\rangle =\sqrt{\frac{1}{3}}|010\rangle + \sqrt{\frac{1}{3}}|100\rangle

つまり最終的には、

|001\rangle \mapsto \sqrt{\frac{1}{3}}|001\rangle + \sqrt{\frac{1}{3}}|010\rangle + \sqrt{\frac{1}{3}}|100\rangle

となり、Dicke状態が作れました。
実際の回路の中身はCXとCCRYで構成され、角度もキチンと指定がされていますので、この通りに作ればよさそうです。

img/1904-07358-pdf2.jpg

引用:https://arxiv.org/pdf/1904.07358.pdf
かなり便利なDicke状態の生成方法が指定されています。是非次はこれを使ってQAOAをやってみたいですね!以上です!

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