Anthropicの最高峰LLMモデルClaude3 Opusを使って量子プログラミングを行ってみました。初心者でも簡単に使えると思いますので、みてみます。
せっかくなので多少説明してみます。
1、今回使うのはAnthropic社のClaude3というモデルです。ChatGPTの競合のようなものです。Webサイトからアクセスできます。
2、Claude3には三つのモデルがあり、Haiku Sonnet Opus の順に性能が高くなります。今回は最上位モデルであるClaude3 Opusを使って量子プログラミングをしてみました。
3、量子コンピュータのプログラミングを取得するのは結構大変なので、できるだけサポートしてくれるようなClaude3は便利そうです。Claude3自体には量子コンピュータのプログラミングを実行するような機能はついていないので、別途コードをコピペして自分でGoogle Colabなどに入れる必要があります。
早速はじめます。聞いてみます。
量子コンピュータのプログラミングをはじめたいのですが、どうすればいいですか?
量子コンピュータのプログラミングを始めるには、以下のようなステップを踏むのがよいでしょう。
- 量子コンピューティングの基礎概念を学ぶ:量子ビット、量子ゲート、量子回路、量子アルゴリズムなどの基本的な概念を理解することが重要です。オンライン講座や教科書を通じて学ぶことができます。
- プログラミング言語を選択する:量子コンピュータのプログラミングには、Pythonが広く使用されています。Pythonの基礎知識があると helpful です。
- 量子コンピューティングライブラリを学ぶ:Qiskit(IBM)、Cirq(Google)、Q#(Microsoft)など、量子コンピューティング用のライブラリやフレームワークを学びます。これらのライブラリを使用すると、量子回路の構築やシミュレーションが容易になります。
- 量子コンピュータシミュレータを使用する:実際の量子コンピュータへのアクセスが限られている場合でも、シミュレータを使用して量子回路をシミュレートし、結果を確認することができます。
- 量子アルゴリズムを学ぶ:量子アルゴリズムの基本的なものから始めて、徐々に高度なアルゴリズムへと進みます。例えば、量子フーリエ変換、量子位相推定、Groverのアルゴリズム、Shorのアルゴリズムなどがあります。
- 量子コンピュータクラウドサービスを利用する:IBM Quantum Experience、Amazon Braket、Microsoft Azure Quantum などのクラウドサービスを通じて、実際の量子コンピュータ上でプログラムを実行することができます。
- コミュニティに参加する:量子コンピューティングのコミュニティに参加し、他の開発者と交流することで、知識を深め、最新の動向を把握することができます。
オンラインリソースとしては、Qiskit Textbook(https://qiskit.org/textbook/preface.html)や、edX、Coursera、Udemy などのオンライン学習プラットフォームで提供されている量子コンピューティングのコースが helpful です。
量子コンピューティングは急速に発展している分野であり、新しい概念の学習や継続的な学習が必要とされます。最初は大変かもしれませんが、徐々に知識を積み重ねていくことが大切です。
ということです。いろいろ選択肢はありますが、業界としてはまずはQiskitを選んでおくのが良いと思います。
では、初級のプログラミングをしたいので、IBMのQiskitで簡単な練習問題のリストをもらえますか?
はい、IBMのQiskitを使用して、初級レベルの量子プログラミングの練習問題をいくつかご紹介します。
1. 単一量子ビットのX、Y、Zゲートの適用:1つの量子ビットに対してX、Y、Zゲートを適用し、状態ベクトルの変化を観察します。
2. 2量子ビットの重ね合わせ状態の作成:Hadamardゲートを使用して、2つの量子ビットを重ね合わせ状態にします。
3. 2量子ビットのエンタングルメント:1つの量子ビットにHadamardゲートを適用し、もう1つの量子ビットとのCNOTゲートを使用してエンタングルメントを作成します。
4. ベルステート(Bell States)の作成:2量子ビットのベルステート(|Φ+⟩、|Φ-⟩、|Ψ+⟩、|Ψ-⟩)を作成します。
5. 量子テレポーテーション:3つの量子ビットを使用して、量子テレポーテーションのアルゴリズムを実装します。
6. スーパーデンスコーディング:2つの量子ビットを使用して、スーパーデンスコーディングのアルゴリズムを実装します。
7. 量子フーリエ変換(QFT):3量子ビットの量子フーリエ変換を実装します。
8. ドイチ-ジョザのアルゴリズム:2量子ビットを使用して、ドイチ-ジョザのアルゴリズムを実装し、関数がバランスドか一定かを判定します。
9. Groverのアルゴリズム:3量子ビットを使用して、Groverのアルゴリズムを実装し、リスト内の特定の要素を検索します。
10. ビットフリップエラー訂正:3量子ビットのビットフリップエラー訂正コードを実装します。
これらの練習問題は、量子プログラミングの基本的な概念を理解するのに役立ちます。各問題に取り組む際は、量子回路の構築、状態ベクトルの観察、測定結果の解釈などに注目してください。
Qiskitのドキュメンテーションやチュートリアルを参考にしながら、これらの問題に取り組むことをお勧めします。また、量子コンピューティングのオンラインコースや書籍を通じて、より体系的に学習を進めることもできます。
せっかくなのでベルステートについて学んでみます。
ベルステートをQiskitで実行するコードを作成してくれますか?
はい、喜んで!以下は、QiskitでBell状態(|Φ+⟩)を作成し、測定するPythonコードです。
from qiskit import QuantumCircuit, execute, Aer
from qiskit.visualization import plot_histogram
2量子ビットの量子回路を作成
qc = QuantumCircuit(2, 2)
1番目の量子ビットにHゲートを適用して重ね合わせ状態を作成
qc.h(0)
1番目と2番目の量子ビットの間にCNOTゲートを適用してエンタングルメントを生成
qc.cx(0, 1)
測定ゲートを適用
qc.measure([0, 1], [0, 1])
量子回路の詳細を出力
print(qc)
qasm_simulatorを使用して回路を実行し、測定結果を取得
backend = Aer.get_backend('qasm_simulator')
shots = 1024 # 測定の繰り返し回数
result = execute(qc, backend, shots=shots).result()
counts = result.get_counts(qc)
測定結果の頻度を棒グラフで表示
plot_histogram(counts)
このコードでは、以下の手順でBell状態(|Φ+⟩)を作成し、測定しています。
1. 2量子ビットの量子回路を作成します。
2. 1番目の量子ビットにHadamard (H) ゲートを適用して、重ね合わせ状態を作成します。
3. 1番目と2番目の量子ビットの間にCNOTゲートを適用して、エンタングルメントを生成します。
4. 測定ゲートを適用して、量子ビットの状態を測定します。
5. 量子回路の詳細を出力します。
6. Qiskitの`qasm_simulator`を使用して回路を実行し、指定したショット数(測定の繰り返し回数)で測定を行います。
7. 測定結果の頻度を取得します。
8. `plot_histogram`関数を使用して、測定結果の頻度を棒グラフで表示します。
実行すると、量子回路の詳細と、Bell状態(|Φ+⟩)の測定結果の頻度が棒グラフで表示されます。理想的には、|00⟩と|11⟩の状態が約50%ずつの確率で観測されるはずです。
このコードは、Qiskitライブラリがインストールされている環境で実行可能です。Bell状態は量子エンタングルメントの基本的な例であり、量子情報処理や量子通信などの分野で重要な役割を果たします。
当該のコードをgoogle colabで実行します。
https://colab.research.google.com/?hl=ja
実行結果は、
┌───┐ ┌─┐
q_0: ┤ H ├──■──┤M├───
└───┘┌─┴─┐└╥┘┌─┐
q_1: ─────┤ X ├─╫─┤M├
└───┘ ║ └╥┘
c: 2/═══════════╩══╩═
0 1
今回のClaudeでは、サンプリングをしてくれました。ちょっと前のコードでサンプリングをしたのでそのつながりでコードが引っ張られているのかもしれません。Claude3 Sonnetではサンプリングをせずに状態ベクトルだけを出していましたが、今回はサンプリングとヒストグラムの生成ができました。GPT-4でもサンプリング&ヒストグラムを出してくれました。
状態ベクトルとサンプリングの違いは、測定ゲートを設置し、古典レジスタを準備し、executeもちょっと違いますが、きちんと理解できてそうです。
状態ベクトルを指定して実行してもらえるか確認します。
上記のコードで状態ベクトルを取得したい。
もちろんです。以下のように、`qasm_simulator`の代わりに`statevector_simulator`を使用することで、状態ベクトルを取得できます。
from qiskit import QuantumCircuit, execute, Aer
2量子ビットの量子回路を作成
qc = QuantumCircuit(2)
1番目の量子ビットにHゲートを適用して重ね合わせ状態を作成
qc.h(0)
1番目と2番目の量子ビットの間にCNOTゲートを適用してエンタングルメントを生成
qc.cx(0, 1)
量子回路の詳細を出力
print(qc)
statevector_simulatorを使用して回路を実行し、状態ベクトルを取得
backend = Aer.get_backend('statevector_simulator')
result = execute(qc, backend).result()
statevector = result.get_statevector()
状態ベクトルを出力
print("State vector:", statevector)
このコードでは、以下の手順でBell状態(|Φ+⟩)を作成し、状態ベクトルを取得しています。
1. 2量子ビットの量子回路を作成します。
2. 1番目の量子ビットにHadamard (H) ゲートを適用して、重ね合わせ状態を作成します。
3. 1番目と2番目の量子ビットの間にCNOTゲートを適用して、エンタングルメントを生成します。
4. 量子回路の詳細を出力します。
5. Qiskitの`statevector_simulator`を使用して回路を実行し、状態ベクトルを取得します。
6. 取得した状態ベクトルを出力します。
実行すると、量子回路の詳細と、Bell状態(|Φ+⟩)に対応する状態ベクトルが出力されます。状態ベクトルは、|00⟩と|11⟩の重ね合わせ状態を表しています。
[0.70710678+0.j 0. +0.j 0. +0.j 0.70710678+0.j]
この状態ベクトルは、|00⟩と|11⟩の振幅が等しく、位相が揃っていることを示しています。このような状態ベクトルは、量子エンタングルメントを特徴付けるものです。
状態ベクトルを取得することで、量子回路の出力状態を直接観察し、解析することができます。これは、量子アルゴリズムの開発やデバッグにおいて重要な役割を果たします。
一年前のGPTなどと比べるとGPT4もClaude3 Opusもかなりクオリティが高く、初期の量子教育に十分に利用できるレベルに到達しています。これは何かしら教育に組み込まれてもいいのではないでしょうか。以上です。