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[現地レポート] 半導体量子コンピュータの最新開発現場とこれまでの量子コンピュータとの開発の違い

Yuichiro Minato

2023/11/23 02:52

こんにちは、今回はSEMI JAPAN量子コンピュータ協議会の活動の一環としてつくばの国立研究開発法人産業技術総合研究所に行って最新の半導体量子コンピュータを見てきました。これからSEMI JAPAN協議会としての活動のほか、企業としても半導体量子コンピュータ周りの活動を拡充していくため、年末はかなり忙しくなります。

国立研究開発法人産業技術総合研究所は

https://www.aist.go.jp/aist_j/information/index.html

つくばの事業所で量子コンピュータの開発が進んでいます。

今回は今後の国や民間の開発を進める上での特にサプライチェーンを強化するために見学と打ち合わせをしてきました!

その前にちょっとおさらいです。

現在世界中では5種類の量子コンピューターの開発が進んでいます。

超伝導、イオントラップ、中性原子、光、半導体

です。

ニュースでよく見るのは超伝導だと思いますが、現在世界では中性原子の開発がかなり盛んとなっていて、そのさらに次として半導体が最後に開発が期待されています。もちろん光も期待されていて、ただ光に関しては開発方法がかなり異なりますので、今回は単純に比較はできないと考えています。

半導体量子コンピュータは、これまでの量子コンピューターの開発の弱点を補うように最新型となっていて、その半導体量子コンピューターの開発が今世界中で立ち上がっています。私たちもそれにならって研究開発として半導体の量子コンピューターの開発を行っています。今後の事業化等に関しては、特に今のところ展望は無いのですが、とにかく半導体量子コンピューターに競争力を持たせて開発を進めるというのが今の現在の目標です。

そのためにも半導体サプライチェーンの方々に半導体量子コンピューターと呼ばれる最新型のものを見ていただき、そして今後のビジネスに関してどのように開発を進めていったり、国として取り掛かっていくかと言うイメージを持ってもらうというのが大事かと思っています。

これまでの量子コンピュータは、主に大学研究設備等産業用の製造設備と言うよりも研究用の設備を使って作られることが多かったです。それはこれまでこうした量子コンピューターと呼ばれるものの方式に産業用の量産体制というのがないからに他なりません。超伝導やイオンや原子と言えば言われたものは、現在のコンピューターでは使われていないので、そうしたものに関して量産体制と言うものに関してのイメージが今のところありません。 なので、こうした量子コンピューターの量子と言うのは、主にスパコンや研究開発用のマシンを開発する際に使われることがこれまで多かったです。

今回、私たちが目指しているのは、将来的には一家に1台と呼ばれる小型の量子コンピューターかつ汎用型のコンピューターのことです。 小型にして将来的にたくさん量子コンピューターがばらまかれと言うようなイメージで開発を進めています。そのために今回選んだプラットフォーム半導体となっています。最近では質問がくるんですが、半導体量子ドットや半導体量子コンピューター、シリコン量子コンピューター、スピン量子ドット量子kのピュータなどいろんな名前がありますが、基本的にはすべて同じ量子コンピューターのことを示唆しています。

半導体量子コンピュータは半導体と呼ばれる、現在私たちが使っているようなチップを改造して作ります。 そのチップを量子コンピューター向けに設計し、それを磁石の力を使って磁場というのかけると、量子コンピューターとして利用することができます。 半導体量子コンピューターとして利用するためには冷却が必要ですが、これまでの量子コンピューターほどは極端な冷却が必要なく、比較的冷凍機が小さくできるというのが特徴です。 半導体の製造設備と言うのは、世界中で現在話題となっていて、私たちの使っているスマートフォンやPCなどの一番小さい半導体を作るための製造設備と言うのは量産体制が整っています。そうしたものを利用して量子コンピュータを作ろうというのが、この半導体量子コンピュータのメインの動機付けとなっています。

今回つくばの産総研にお邪魔して、こうした量産体制を前提とした量子コンピューター作りと言うこれまでなかった文脈でのプロジェクトが進んでおり、かつ世界中でも同様のものが立ち上がっており、開発が激化し始めています。その9最先端として産総研の施設を見て、そして今後日本としてどのようにこうした量産体制と向き合っていくのかと言うところを考えてきました。

最初に見たのは、産総研のにある極低温プローバです。

300ミリのウェハがそのまま極低温で測定できるプローバーとなっていて、これまで冷やして測ると言うのは非効率だったものを製品として導入し効率化していると言うものです。 まで極低温でのトランジスタの特性評価を行うためには、手動での評価をすることによって1週間でも少ない量しか測定できなかったものに関して、今回は専用装置を入れることで大量のものを測定できると言うことで効率化を図ることができるになったと言うものになっています。

現在、大規模な特性評価を実現する機器として、フィンランドのBluefors & AFORE、もしくはアメリカのFormfactorの製品が市販されていると言うことです。 世界見学したのは前者となっていて、全世界的にもこうしたクローバー3例目と言うことでかなり珍しいそうです。

本格的な利用として様々改善したいところがあるようで、今後も継続して利用し改善を進めていくと言う感じでした。

次に見学させていただいたのは、次世代の半導体デバイスの試作ラインであるCOLOMODEです。

ここは次世代の半導体デバイスや半導体量子コンピューターのチップを作成するための共用LINEとなっていて、特にこれまで手作業で行っていたものと、スーパークリーンルームのような大規模なものと、手作業との間くらいの位置するものとなっていると言うことです。

設備は製造用・自動機を利用して、ウェハは4インチ、材料はシリコンを中心として、試作の自由度も高めとなっています。今後トランジスタや量子ビットの開発などが積極的に行われると思われます。

僕は素人なのでわかりませんが、とにかくたくさんの製造装置がありました。

最後にメインの量子コンピュータの極低温実験設備です。

研究所なので、商用のものを作るというよりは特性を評価しながら開発をしているという感じでしたが、たくさんの冷凍機が置いてありました。

量子コンピュータの計算を行うのは量子ビットと呼ばれる素子ですが、それ以外にも、測定器が室温にたくさん置いてあるとケーブルを介して冷凍機のなかに引き込むと熱の流入やケーブルのボリュームで限界が来ます。そうしたものを避けるために、冷凍機の中に制御系のチップを導入するクライオCMOSの開発が進んでいます。

クライオCMOSは制御回路としてこれまでのトランジスタを利用しますが、極低温での動作特性が異なるためこれまでと同じように使えないということで、今後の小型化を進めるために重要な技術となっています。

今回 これらの研究開発設備を見学して思った事は、想定以上に半導体を使った量子コンピューターの研究開発が加速化している気がします。今後はこうしたものを産業事業として進める際にはすでにできる事はあると感じました。

冷凍機に関しても、冷却温度の関係でやはり小型化が可能になりつつあります。ですので小型化があるとたくさんの数がばらまけますので、全国で半導体量子コンピューターの研究開発ができると感じました。またクライオCMOSなどの制御系のトランジスタの開発はまだ時間がかかりますので、当面は量子ビットが少ない間にこうした測定器を通じて開発をすると言う事ですが、比較的コンパクトな研究開発環境だなと思いました。

今後、冷凍機やこうした計測器等の設備が整えば、全国でも半導体を使った量子コンピューターの研究開発ができ、そうしたものをちょっとずつ産業に落としていき、さらに全国のデータセンターに配置することによって、量子コンピューターを全国的に使うことができると感じました。 導入にそんなにコストと手間がかからなければ非常に多くの半導体量子コンピューターの研究開発が進むと感じましたので、今後私たちとしてできる事は、こうした冷凍機や制御機器等の導入を簡単にするようなパッケージ化をし、そして全国に半導体量子コンピュータを既存の半導体研究開発と並行して行うことにより、人材面や設備面でのコストをなるべく負担なくすることができると感じました。

量子コンピュータはおそらく今後急激に量子ビットを伸ばすことになると考えられます。現場で見ると、工学的、技術的な側面での技術開発は必要ですが、今のところまだブルーオーシャンとなっているので、このところに関してしばらく研究開発を通じて貢献をしたいと思います。以上です。

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