こんにちは、かなり頑張った結果ようやく世界最先端に到達し満足している湊です。競争激化しているのでこのまま生き残れるよう頑張ります。
最近、海外の複数のベンチャー企業の役員とお話をして、世界は確実にデジタルに向かっているという確信を得ました。
現在アナログ量子計算としてあるのが、
1,D-Waveの量子アニーリング
2,Xanaduの光連続量計算
3,QuEraなどの冷却原子量子シミュレーション
となっています。量子アニーリングと冷却原子量子シミュレーションは比較的やっていることが近くて、量子断熱計算という理論の下で時間発展計算と呼ばれるものを行っています。実際には組合せ最適化問題を解くというのが社会実装上のポイントでそれぞれの企業ではそれぞれの問題に対して解決策を提示しています。ただ、これらの企業も研究としては量子アニーリングや量子シミュレーションの提供は意義がありますが、ビジネス的な観点での意義はほとんどなくなってきています。
量子アニーリングの実機は横磁場と呼ばれる問題探索の方法が非効率で実際に問題を解いても早くならないということがわかっています。研究で盛りかえるかと思いきや、結局その間により汎用的な量子ゲートが登場し、量子ビット数も2025年には4000量子ビット予定がIBMから発表されております。そのため、実例はたくさんあるのですが、実用化は難しいということになりました。D-Wave社自体も今後は量子ゲートへ向かうということなので期待したいと思います。
次に量子シミュレーションですが、冷却原子を使った量子シミュレーションはD-Waveとちょっと似ているのですが、時間ごとに操作を行うことができます。ただ、冷却原子の場合には、横磁場とリュードベリ状態の操作は行えるのですが、量子ビット同士の相互作用は固定となっているうえ、リュードベリブロッケードと呼ばれる特殊な計算がベースとなっていて汎用的な組合せ最適化問題を解くには、複数量子ビットを使って状態をコピーして使うなどかなり量子ビットの接続と数に無駄が出ます。そのため、かなり工夫しないと問題を使えないため、研究面は良いですが、社会実装はかなり難しそうです。
最後に光連続量計算ですが、現在はGBSと呼ばれる計算をするための枠組みがちょっと整備され、実機もborealisという形でawsにでていますが、明らかに今後誤り訂正を含む量子計算の主流に乗るため、米国のPsiQuantumやカナダのXanaduは離散型量子ビットに向かっているようです。今回実際に直接聞いてみたので、やはりアナログ光連続量計算はあくまで一つのステップとしてで、今後は離散量のFTQCへまい進するというのは間違いないみたいでした。実際にロードマップはそんな感じらしいので、光量子コンピュータもいよいよ量子ゲートへ進出ということで競争が激化しそうです。
ということで、アナログ量子計算は2022年中にはトレンドがほとんどなくなり、2023年からはすべての企業でデジタルの量子ゲートを追いかけるような雰囲気になってきましたし、それをしないと生き残れない時代になりました。トレンドの移り変わりは早いですね。。。
ちなみに生産最適化や流通最適化などの組合せ最適化問題のトレンドはそのまま残っていますので、疑似量子やそれに類するような業務最適化に関してはまだ需要がたくさんあると思いますので、量子という冠にこだわらずにどんどんビジネスが伸びる傾向もありますので、今後は量子ゲートもしくは業務効率化という全く別なジャンルに分かれる気がします。以上です。