サーバーでのコールドプレートを使った本格水冷の前に、自前のPCで本格水冷にチャレンジしてみました。
本格水冷とはポンプやタンクを購入し、チューブなどでCPUやGPUを繋いで冷却するシステムです。昨今のゲームやAI向けのGPUやCPUは大変熱が出るため、空冷と言ってファンで冷却するのが限界になりつつあります。そこで水冷のように効率的に冷却するシステムが注目されています。
これまでは簡易水冷と言って、ポンプとCPUの冷却部分が一緒になって、ラジエーターと呼ばれる冷却フィンだけが繋がっているモデルはよく使っていましたが、今回は自分で全部やります。本格水冷は初めてなので緊張しました。
手順は、
1、今回はポンプとタンクが一体になったものを用意。
2、ラジエーターと呼ばれる熱を冷却水から取り込んでファンで冷やす機構を用意。
3、CPUからの熱を冷却水に移すウォーターブロック(水枕)と呼ばれる部品を用意。
4、それらを全部ソフトチューブで繋ぐ。
5、全部繋いだらタンクに冷却水を入れて電源をON。
です。結構それぞれの水の出入り部分の接続が肝で、きちんと接続されているかどうかを確認します。ポンプの電源は12VのSATAから接続します。
PCの電源を入れると勢いよく水が回り始めました。最初はホースの中に水が入っていないので、緊張しましたがみるみるポンプでタンクの水が減って循環し始めたので、追加で冷却水を合計2ボトル入れました。
通常はPCケース内部にタンクとポンプを入れるのですが、今回は心配だったのでケース外部に。特に問題なく作動しました。ポンプの音は多少するものの、全体としては静かです。
一般的な水冷サーバーとの違いを考えた時、
1、CPU/GPUを直列もしくは並列で繋ぎ、ケースの外部に出す。
2、ケースの外部からはCDUと呼ばれる冷却を管理するシステムへ入れる。
3、そこで熱交換で外部の熱システムへ熱を移動させて冷却水を冷やして循環。
となっています。今回のシステムは直接ラジエーターとポンプとCPUが直列につながっているため、だいぶプロ向けのサーバー冷却システムとは異なることがわかりました。
今後はトライアルのため、各々のPC内部は直列でチューブを繋ぎ、それぞれのPCを統合した中央管理の冷却システムの自作に取り組んでみようと思います。
https://x.com/MinatoYuichiro/status/1782358846755012901
チューブにもソフトハードがありますが、ソフトの方が取り回しは楽だとは思いますが、ハードチューブにもチャレンジしてみたいです。
今回利用した冷却液は水95%、プロピレングリコール5%でした。プロピレングリコールは比熱が高いためたくさん熱を運べて、熱交換速度といって熱を早く吸収して放出でき、かつ有害物質が少ないもののようです。
以上です。