こんにちは、光技術を量子コンピュータに応用することで、常温設置型の光量子コンピュータが有力視されています。
光量子コンピュータはその他の量子コンピュータとはプログラミングの方法が異なります。今回は新しい光の技術を世界に先駆けて実用化し、
活躍できるベンチャー企業BosoniQ(ボソニック)が誕生しました。
BosoniQ株式会社
BosoniQは、ボソンとしての性質を持つ光による量子計算のツールやアプリケーションを開発します。
事業は、
光量子コンピュータSDK、チュートリアルの開発
光量子コンピュータ向けミドルウェアとアプリケーションの開発を行います。将来的にはクラウドサービスの提供を開始します。
こちらは、オリジナルのphotonqatと呼ばれる光連続量プログラミング専用のソフトウェア開発キット(SDK)です。
光量子コンピュータは超伝導やイオントラップのような既存の量子コンピュータのソフトウェアと作り方や計算原理が異なります。
そのため、まったく異なるツールが必要となりますが、ステルスで開発していたphotonqatは、
世界でも2社しか提供していない(2021年10月当社調べ)珍しい光量子コンピュータ向けのSDKです。
https://github.com/BosoniQ-github/Photonqat
メインの事業は開発したSDKを利用して、光量子コンピュータ向けのアプリケーションを開発し社会問題を解決します。ただ、世界に光量子コンピュータ向けのSDKやアプリケーションを開発できる会社や人が少ない状態です。
ハードウェアはカナダのXanaduや米国のPsiQが開発をしていますが、100億から500億円をこえる莫大な開発費が投入されています。
PsiQuantum Raises $450 Million to Build Its Quantum Computer
https://www.wsj.com/articles/psiquantum-raises-450-million-to-build-its-quantum-computer-11627387321
一方でソフトウェアの開発ノウハウは世界中どこにもなく、自分たちで作らなくてはいけません。
BosoniQでは、blueqatの下で2年の歳月をかけてオリジナルのphotonqatSDKをpythonで開発し、最近ではGBS(ガウシアンボソンサンプリング)と呼ばれる
基本のアルゴリズムにおけるアプリケーションの開発に成功しました。
GBSは2020年に中国科学技術大学が量子超越と呼ばれる既存スパコン富岳を使って6億年かかる計算を200秒で完了させたアルゴリズムとなっています。
中国科技大、光量子コンピュータで「量子超越性」を実証 スパコン富岳で6億年かかる計算を200秒で
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2012/04/news146.html
このGBSを使ってはカナダのProteinQureなどが分子ドッキング法への応用などの創薬分野への応用などを発表しており、各国でアプリケーション開発競争が過熱化しています。
また、最近では米国の有力カンファレンスであるIEEE Quantum Weekにおいて、私たちは全く新しい光量子コンピュータのシミュレーション手法を発表しています。
https://qce.quantum.ieee.org/posters-program/
Simulation of Continuous-Variable Quantum Systems with Tensor Network
Ryutaro Nagai (blueqat inc.), Takao Tomono (Toppan Inc.), Yuichiro Minato (blueqat inc.)
こちらは既存コンピュータにおいても光量子コンピュータのアプリケーションの大幅な高速化を実現し、光量子コンピュータの高速化の原理解明や、既存コンピュータ上で安価にアプリケーション開発できる環境構築にも一役買い、大きな進展を実現しています。
また、量子コンピュータをめぐるアプリケーション市場は急拡大しており、2040年には全世界で93兆円とみこまれています。
2021年時点でも投資は全世界で過熱しています。
BosoniQは世界でも有数の光量子ベンチャー企業として注目され始めています。
最初のターゲットであるGBSの社会実装を実機量子コンピュータへの実装を進めることで収益化を図ることができます。
光量子コンピュータのSDKが少ないことからユーザーのコミュニティはこれから成熟していきます。そのような市場を形成できる新しい
ベンチャー企業としてご注目ください。
BosoniQはblueqatと個人の出資でなりたち、すでにエンジェル投資家から調達を済ませており、初回のシード資金(評価額プレ2000万円、ポスト2億、10%2000万円調達目標)の獲得のためにVCとの会話やアクセラレータへの参加を始めています。日本は光技術が世界でも進んでいる国で、ユニコーンも目指せる革新的なベンチャー企業となっていますので、興味ある方はぜひbosoniq.netのウェブサイトをご覧になってください。以上です。