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量子コンピュータベンチャーの資金調達や評価額について

Yuichiro Minato

2023/10/07 03:00

最近特にベンチャー企業の発掘に関する問い合わせが非常に増えており、多くのところから問い合わせいただくことが多いです。特に量子コンピューターに関しては研究者が多く、こうしたベンチャーの資金調達と言うのは、大学発ベンチャー等の専門の資金調達係等がいない限りはあまり分かりづらいと言う現状があります。 社会の裾野の広さを広げると言う観点においては、ベンチャーキャピタルとスタートアップとの資金需要のマッチングは非常に重要となり、数多くのベンチャー企業の創出と育成は喫緊の課題となっています。 こうした状況が、量子コンピューターのベンチャー企業やアプリケーションの開発などを加速させる要因となり、社会実装や事業化を現実的に実現します。

まずは基本的にはベンチャー企業の調達ラウンドというのがありまして、最初に企業をして資金を調達しようと考えた時から、最終的なゴールまでの段階的な資金調達のフェーズがあります。まずこちらをきちっと理解いただくのが重要かと思います。まず最初は企業段階の資本金として資金を入れます。この時の資金はシードやエンジェルと呼ばれていて、基本的には自分たちもしくは周りの支援してくれる個人の方を入れます。大学発ベンチャーなど本格的に出発する際には、こうした初期資金に応じてもすでに多額の資金を入れて、株式の割合を考えることが多いでしょう。

一番の重要なポイントは何よりも株式の割合となっていて、今後の資金調達ラウンドで第三者割当と呼ばれる外部からの資金を調達する際に、必ず自分の持ち分の割合は減る一方となります。そのため最終的にどの程度まで会社を大きくしようかとイメージが重要で、その会社の運営方針やサイズのゴール感によって、初期の自分の株式の持ち分の割合が一定以上ないと継続が難しくなります。会社は社長のものではなく、株主のものというのが一般的な考え方なので、どれだけ株式を持っていて、どれだけ株主に仲間がいるかというのが最終的な 企業運営の中で自分の意見が通るかどうかと言うのを決めます。

なので、最初の会社を設立する際、もしくは設立した直後に調達する際には、シード資金等の初期資金を調達します。調達に際して目安になるのは時価総額もしくは会社の評価額と呼ばれるもので、会社の価値を決めるものです。通常初期の調達金額においては、出資金額がそのまま時価総額に反映されます。2回目以降、もし時価総額を値上げする際には 算定根拠となるような資料を用いて、新規の株主を探し、第三者同士割当と言う形で増資を通じて資本金を増やします。その際の 株価は業績や期待感が大きければ上げてもよく自分が初期資金を投入した時よりも株価を上げることができます。そうすることによって株式の割合を一定維持したまま大分資金を入れることができます。もちろんこうした資金調達に際しては、外部の第三者が新しい株価に納得して資金を入れてもらえれば、それで株価を上げることができますが、一般的には株価が大きいと取得できる株の割合が減ってしまうため、第三者増資割り当ては難しくなります。

量子コンピュータベンチャーの場合、初期資金として30,000,000円から50,000,000円程度が一般的だったかと思いますが最近ではもう少し大きくなっていくかもしれません。一般的にベンチャーキャピタルが算定する際、新規の資金調達に関しては希薄化と言って、どれくらい第三者増資割当に際して 手元の株式の割合が減ってしまうのかということを考えます。一般的にはプレとポストと言って調達前と調達後の資金、つまり調達前の資本金の合計額に増資した資金が増加した際の合計の資本金を考えます。 大体見ている限りでは、量子業界でも一般的には20%前後の希薄化を許しているように見えます。

大体のニュースで1億円前後を調達したとなると、大体量子コンピューターベンチャーの場合、その会社の評価額としては5億円程度になると予想ができます。もちろんそれは会社によって戦略によって異なっていて、弊社のように10%を切るように調達を進めると言う戦略もあります。この辺の希薄率と調達金額のバランスに関しては、中長期での戦略、もしくは短期での戦略、様々な見方があって、一概には決まってはいないのですが、大体は20%を守ることによって、バランスの良い調達ができると考えられていると思います。

 量子業界がまだなかった状況では、私たちのような場合にはまずは支援してくれる個人を探すのが1番大事です。そうした個人の方には株式を一定数持ってもらい、味方となってもらい、支援をもらいながら会社を伸ばします。私たちの場合2014年から始めているので、そのタイミングではまだ個人の方からの出資がメインとなっていました。もちろん量子業界など2014年にはなかったので、出資をしてくれた方には大変感謝していますし、相応のリターンを返せていると思います。 個人の方で量子などに出資をしたい場合には、その創業の方の経歴や実力などを見た上で、初期段階での投資をすることが今後の大きなリターンを生み出す源泉となると思いますが、同時に本当にきちっと会社が伸びるかどうかというのは全く判りませんので、リターンの代わりにリスクも多少はあります。初期の投資額として個人の方でも1,000,000円とか1,500,000円とかが一般的かと思います。そうしたエンジェルと呼ばれるような投資に関しては少ない金額で時間がかかりますが、大きなリターンが得られるというのが特徴となっています。

シードエンジェル等の初期段階では大きな事業計画は必要ないと思います。最近では大学発ベンチャーなどはきちっとした技術がある場合には、事業計画や資金調達の資料を必要があるかもしれませんが、一般的にはスピード感も重要ですので、 バランスで考えます。特にシードの場合には、これから どのようなことをやりたいかと言う曖昧な状況でも資金調達をすることができますので、そうした何をしたいのかと言うビジョンが1番重要になります。これからシードからシリーズAに向けてプロトタイプを作ったり、市場調査をして自分の考えているサービスやプロダクトが本当に市場に受けられるのかそして今後の市場が伸びそうかどうかと言うのをチェックします。私たちは2014年から始めていますが、その段階で全く量子コンピューターがない段階から、2018年に初期のシリーズAを調達していますが、実際に多くのトライアルをしてコンピューティングの市場が伸びていることを確認し、初期の投資家としてSBI様が資金を2億円入れていただいております。

調達ラウンドはシード以降、エンジェル以降はシリーズA,B,C,D…と言うふうにアルファベットで表記します。実際にはこういったラウンドというのは決まりは無いのですが、一般的にはシードはアイディアを発掘、シリーズAではそのアイディアをもとに市場を開拓。シリーズB以降では、シリーズAで作ったサービスがきちっと育ち、プロトタイプを作ります。クライアントがついてきた場合には、さらにそれを伸ばすと言う風な方向性を決めます。シリーズC以降は調達はどちらでもよくて、大概買収や上場などの場合にはシリーズB以降に実行がされますが、シリーズCDのように調達を上場しないで進める場合も多いです。

量子コンピュータ業界の場合には、こうしたシリーズAB等調達したとしても市場がうまく育たず、また市場が育てたとしても、事業性がまだ不確定でまだ中長期で待つ必要かなと言う場合もあるかと思います。米国ではこうした一般的には、事業が育ってから上場や資金調達をすると言う方法以外にSPACと呼ばれる中長期のキャッシュを先に確保し、それを切り崩しながら、市場が育つまで市場を獲得すると言うような手法もあります。こうしたSPACに関しては、EVや量子コンピュータなど、まだまだ市場が先になりそうなものに関して、資金を切り崩しながら先行して市場をとりにいくという方法もありました。 同手法は問題点も非常に多く、やはりギャンブルになりやすい。もしくは先行してキャッシュを切り崩しながらも、予想通り市場が育たない、もしくは自分の事業が育たない場合には詐欺等の傾向に陥りやすいと言う課題があり、多くの株価が下落し、問題となっています。実際にはSPACで上場しなくてはいけないと言う追い込まれたベンチャー企業がこの手法を獲得するのですが、手数料やコンサル料等初期の金額に非常にとられてしまい、金融機関のみが得をすると言う傾向があります。自分自身としては日本ではSPACは無いので、この手法を取ると言う選択肢はありません。 SPACを勧められたとしたら、それは相手方の利益中心の考え方となっていて、警戒したほうがよいでしょう。

自分自身の経験から、今後の量子コンピュータベンチャーの効率的な資金調達や運営方法を考えてみたいと思います。 私たちは初期として30,000,000円の自己資金がありました。これは社歴が長いため、自分自身の会社の利益を資本金に入れたと言う事情があります。そうした中で2018年に初めてSBI様から資金調達を行いました。ファンドとしてもリスクを軽減したいため、種類株と言う普通株とは異なるタイプのものとなっています。評価額は20億円調達金額は2億円ですので、希薄化率は10%となっています。

シード調達に至るまでは、自社でSDKを開発したり、アプリケーションの開発をしてある程度投資家様に提示できるようなプロトタイプがありました。ただその段階ではいくらかお客様はいるものの、きちっとしたサービスと言う段階ではなかったので、まずはプロトタイプは変えてきたもので充分かと思います。量子コンピュータの場合には昔から期待感が高かったので、時価総額は高めに出ています。ただこれはどれだけ今後頑張れるかと言うことに跳ね返ってきます。あまりうまい話は無いのでかなり気をつけて計画をした方が良いと考えています。自分自身の場合には調達するまで10年間の経営経験があったので、一通りのものは把握していたため、全てが新しいと言うわけではなく、財務や事務会社を運営する上で必要なものは一通り把握した上で行いました。そのため技術などに集中することができたと言う事情があります。

僕の会社経営でつきまとう問題としては、会社の運営自体と会社の収益などの2つの軸で考える必要があるということがあります。人事や財務や運営経理など、様々な会社のバックオフィスは会社を支える重要な役割ですが、一般的には量子コンピュータの企業としてはそういったものを一から整備すると言うのは難しいと思います。 バックオフィスが崩れれば、会社の経営自体が不安定となり、技術的にもかなり安定感を書くこととなり、会社そのものを崩壊させることになりかねません。 よくバンドが方向性の違いで解散するということがありますが、全く同じことが会社に適用されます。

弊社では2018年の調達の段階では、こうしたサービスを作りたいと言う目線はありませんでした。もちろん当時は量子コンピューターの市場そのものがなかったので、どこに需要があるかわからなかったというのがあります。初期段階で弊社はSDKと呼ばれる量子コンピューター向けのアプリケーション開発ツールキットを開発しました。きっかけとなったのは2019年お客様から社内稟議を上げるための手続きを簡略化したいため、SDKをダウンロードするのではなく、クラウドで実装してくれないかと要望いただいたのがきっかけで、2019年からクラウドサービスを作り始めました。 2023年現在このクラウドサービスが結局最終的には1番の売れ筋となっていて、弊社の屋台骨となっています。

当時から変わった事は 2つのサービスがクラウドサービスに統合されたことです。1つはアマゾン社が外部に安価に量子コンピュータを提供するアマゾンブラケットを採用したことです。当時はまだこうした量子コンピューティングを気軽に使うサービスはあまりありませんでしたので、量子コンピューターの会社と直接契約が必要でしたが、そうすることにより弊社の顧客の流出を招く事態となりかねなく、泣く泣く契約を解除したと言う経験があります。2021年にアメリカのエヌビディア社が発表した。GPUで量子コンピューティングを行うことができるエヌビディアcuQuantumを採用したことです。これによりクラウドサービスのバックエンドにGPUを接続すると言う事を進めた結果、唯一無二のサービスとなりました。 現在では、ブルーキャット社のクラウドサービスの特徴は、この実機とGPUを接続すると言うことに最大限集中していると言う視点です。GPUを運用したことがある方はわかるかもしれませんが、こうした高性能マシンを運用すると言うのは大変難しいことです。さらにそれをサービスに接続し、クラウド経由で最先端技術を提供すると言う技術はなかなか安定感を持って難しいと考えています。

この段階になると、運営資金としてGPUを運営する人材や設備投資、そして日々こうした量子クラウドサービスを利用して頂いてるお客様のサポート体制を強化する必要が出てきます。ようやくこの段階になって、事業計画における利益や売り上げの予想を立てることができます。そうすることによってより事業を伸ばすことができると言う見込みが立ち、前の段階では、アイディア段階、もしくはプロトタイプ段階であったサービスがより現実味を持ったサービス展開としてイメージできます。こうすることにより数字を立てることができ、具体的な投資を通じてリターンをお約束もしくは推定することができます。

もちろんこのように順調に、クラウドサービス等が立ち上がって、きちっと売り上げや利益の予測ができると言う状況に持っていくと言うこと自体が難しいです。十分な数のお客様を獲得し、そしてその要望を聞きながら、市場の動向を見て伸びるであろうと言うような予測のもとにサービスを構築しなくてはいけません。この段階では社員数も増えて簡単にはピボットと呼ばれる方針転換もできません。そうなるとなかなかこういう方向性を決めると言うことを決めなくてはいけないため、簡単にこれまで自分たちが楽しくやってきた方向性から、ようやく会社としての具体的な方向性が夢の技術から 具体性として形に現れてきます。

ここで注意しなくてはいけないのは、シード調達をしてから、その資金をもとにシリーズAを達成するためのサービスの立ち上げをしなくてはいけなかったのですが、市場の伸びと同時にそうした資金調達資金がきちっとこうしたシリーズAに結びつくまでの間に、きちんと成果が出るかどうかも重要です。もし途中で資金が尽きてしまった場合には、次の追加調達をしなくてはいけませんが、2018年段階の時価総額が高すぎる場合、欲しい段階で資金を調達すると言うことが難しくなってしまいます。 伸びる前に資金調達をしなくちゃいけないと言う事は、つまり株の希薄化を招く事態となってしまうため、さらに経営を追い込むことになります。そうするとますます加速的にシリーズAへの到達が難しくなると言うことがあります。株式を多く持っている株主の中には見通しが立たない中で、こうした追加投資を行い、最終的に自分たちを追い込む結果を招き、最終的には株価がゼロになってしまい、自分のリターンを回収できないと言うことを恐れる株主が出てきます。そうした場合には株価をなるべく下げないためにもプラン Bでよりリスクが少ない事業への転換を要求してくる方もいらっしゃると思います。 あるシリーズからあるシリーズへときちっとわたって追加の資金調達ができると言う事は非常に重要なことになってます。

もし資金調達がうまくいかない場合には、国の助成金や補助金などを頼ることになります。こうした量子コンピューターのような業界では、ベンチャーの資金だけで市場性を図る事は、なかなか難易度が高いことです。そのため、国の助成金などを頼り、そうした市場が広がるまで持ちこたえると言う手法もあります。弊社では意図的にそうした助成金や国プロには現在入っていません。なぜなら、国であったとしても、そうした全体の市場の推定というのは難しく、本当にチャンスが入ってきたときに、そうした国プロに人員をとられてしまうと、本業の民間での収益化と言うところにリソースをさけないため、 収益化の機会損失を招くことになります。 助成金や補助金などは機会損失や市場の読み間違いと言う観点で、実は結構大きなリスクがあります。なので手元の生活費を確保するために国プロを活用しようと言う考え方は、弊社では採用しておらず、そういった手元キャッシュのリスクをおかしてでも成長性を重視していると言う一面もあります。しかしこれは企業によって異なります。多くの助成金や補助金などを通じて、国単位での安全保障や戦略に則って行う場合には十分に活用し支援を受けるべきだとは考えます。

さて、シリーズAを調達した後はシリーズBに向かって顧客とサービスを大きく発展させる必要があります。弊社も現在シリーズAの調達中となっていて、いくらか調達が進んでいますかこの段階から大きくサービスを変更すると言うのは難しいなと考えています。私たちもシリーズAが初めてですので、今後どうなるか分かりませんが、何とか耐えてきたと言うこと、そして多くのお客様とサービスの伸びを推定することができるということが大きな支えとなっています。 シリーズBに向かって2つの選択肢が出てきます。1つが会社売却です、もう1つが上場です。私も多くの提案をいただくことがあります。現在私たちの目標はそうした売却や上場ではなく、第3の目標に向かっており、それはそのうち発表をしますが多くの出口戦略をこのタイミングで考える必要があるかと思います。多くの金額を株主様から調達してお預かりしていますので、こうしたリターンを現実的に考える段階に入っています。

出口戦略を考える場合、量子コンピューティングに関してはあまりリファレンスとなるような事例はありません。米国ではD-Wave、Rigetti、IonQが上場していますが、それぞれSPAC上場しており現在株価は真っ二つに割れています。SPACで失敗する場合には、大きく株価を毀損する事なり、継続が厳しくなると思われます。一方で、SPACで成功したとしても、引き続きキャッシュを燃焼しながら市場を開拓すると言う厳しい選択を迫られることになります。 IonQの場合、 ヘッジファンドからの空売りを仕掛けられたと言う事情から復活し、現在では大きく株価が戻っています。こうした大きな株式市場での戦いに勝っていると言う状況からIonQでは相当優秀なマネージメントチームがいると思います。日本の場合にはSPACがありませんので、これらの戦略は直接はあまりあてにはなりません。しかし株価は市場の期待感を反映していると考えられる。こうした期待感の方向付けに関しては大きな参考となります。 株主は、自分たちの投資した金額を10分の1にはしたくないでしょうから、こうした金額の期待感の指標と言うのは非常に敏感に作用していると思います。

現在、私たちがリファレンスとしている業界が1つあります。それはAI機械学習です。我々はエヌビディア現在、私たちがリファレンスとしている業界が1つあります。それはAI機械学習です。我々はエヌビディアのcuQuantumと呼ばれるGPU向けの量子コンピューティングフレームワークを採用しています。これが最近の量子コンピューティングの業界では1つのスタンダードとなっていて、これらを使って通じてAIや機械学習業界と評価を共有することができます。現在上場している多くのAIベンチャー企業は受託やソフトウェアライセンス事業の主体としていて、時価総額も150億円から800億円程度がボリュームゾーンかと思います。最終の利益率も12%程度と言う形で、ある程度事業性の方向性が似ている業界をリファレンスとして採用できることがリファレンスとして採用できることができます。

と考えると、もし上場したい場合には、時価総額はそうしたリファレンスの企業の業績をベースとして、それ以下に抑える必要があります。一般的にはそうした形で考えると、100億円以内に上場前に抑えると言うのが、戦略的に正しく多くの量子ベンチャー企業は、シリーズAで10から20億円、シリーズBで50億円程度となっています。 実はこれまでは特に公開してませんでしたが、シードで評価額20億、調達2億となっていて、希薄化率も低くなっています。なので、一般的に金融機関主体のベンチャー企業に比べてかなり希薄化率が低く、かつ初回ラウンドで調査してる金額も少ない中で成長してるというのが特徴です。 成長するまでの間は、株式の持分の割合によって助けてくれる割合が決まってきますので、全て自分たちの責任でやりくりする必要があり、資金が足りない場合や厳しい局面においても、基本的には自分たち主体でその処理をする必要がありました。しかし一旦そうしたハイリスクの状況を抜けた後では、実際にはリターンも大きく現状、においてもプレ180億、ポスト200億のシリーズAラウンドを多くの株式を手元に残したまま調達をすることができています。

なぜそのようなことが可能かと言うと、実際に弊社として利益と売り上げが立つような事業モデルとして当初から設計がされているからです。将来的な伸びを期待しながらクラウドとコンサルティングと言う両軸できちんとした売り上げ利益が立つような構造となっており、初期から研究開発は控えめとなっていて、事業化を優先した結果ようやくそれがコロナ明けで伸びてきた状況です。 量子コンピューターベンチャーの非常に大きな難しさを考えると、それは技術主体となっているディープテックのため、技術を無視して、こうした売上利益の伸びを考えることができないと言う事情があります。実際弊社でもパッケージングやスケーリングと言うのは考えたのですが、そうしたものを採用することによって、事業化はもしかしたら考えられるかもしれませんが、こうした現場のような売り上げ利益を達成するの事は難しかったかもしれません。 途中でスケーリングを考えて授業を考えましたが、結果としては技術主体でのクラウドサービスとコンサルティングの組み合わせを行うことにより、中長期的な事業のスケーリングは、割合としてはかなり小さいですが、安定したキャッシュを生み出すと言うことを株主に約束することができています。

弊社でもノーコード等作っていましたが、開発速度が非常に速く新規技術がどんどん出てきてしまい高度化して、一瞬で数ヶ月前の技術が陳腐化してしまい、サービスとしての魅力を失ってしまうと言うことを目の前で見てみてきたので、そうしたノーコードは完全に諦めている状況です。 スケーリングするようなシステムを売りたい場合には技術の発展に目をつぶり、現場のその技術が自分たちのサービスや収益に一定の金額をリターンするということを決めた上で覚悟を決めて行う必要があると思います。 それでは目の前のそうした売り上げをして、将来的な汎用性や市場の広がりを優先しているためノーコードをつい諦めたところです。

私たちの当初の目的は上場となっていて、よく幅広く日本にこの量子技術を発展させ、世界的にも競争力を持つと言うことを目的としています。しかし当初の目的として売却を考えている企業もあると思います。その場合には多少戦力も変わってきます。 企業を最初から売却したい場合には、時価総額を大きく伸ばしすぎると株価を毀損することになり、損をする株主が出てきます。実際に国内の企業がある程度安価であれば、量子分野は伸びているのでまずは買い取ってくれると言う事は期待ができます。そのため業績を安定して出すもしくは技術一点絞りして作っていくと言うことで、安価に企業を売却するということを目標にすることも可能かと思います。

最近では量子ベンチャーを創出したいと言う自治体や研究者、企業なども増えていると思います。こうした量子コンピューターの業界においても、多くの知見やトライアルが行われており、成功や失敗などが繰り返されています。ぜひいろんなところにヒアリングをして、自分の目線感の合ったところに調達や出資を考えるのが1番健全かと思いますので、ぜひトライしてみてください。以上です。

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