メリークリスマス。組合せ最適化問題を解くときはVQEよりQAOAを使いますよね。
QAOAは量子古典ハイブリッド計算を利用して量子アニーリングみたいなアルゴリズムを実装しています。
QAOAでは、変分パラメータと言って角度を最適化します。角度は回路の中に入っていて、古典計算で最適化をするのです。
そんなQAOAは、VQEが昔流行っていた頃、量子断熱計算を変分回路で再現するために開発されました。
ただ、最近ではもう学ばなくて良いと思います。その理由を列挙してみます。
速くない
量子アルゴリズムって速度が速くなると期待して実装しますよね。グーグルも以前はQAOAを使って量子超越しようとしていた時期がありました。
しかし実際にはQAOAで速度向上を示すのは難しく、トーンダウンしました。
理論的にわかりづらい
同じ固有値を求めるものにして、VQEよりも理論が複雑です。QAOAを学ぶのは大切ですが、到達するまで時間がかかるのでより効率的に学びたいものです。
QAOAのもとのアイデアを学ぶ
量子古典ハイブリッドが流行った頃は良かったですが、今は時代はNISQを諦めて誤り耐性の汎用量子アルゴリズムに向かっています。QAOAのもととなった時間発展計算をまなぶのがわかりやすいと思いますし、順当な流れかと思います。
細かい設定できる
量子古典ハイブリッドでは、パラメータを最適化という部分で、量子断熱過程のかなり理論的なところからの乖離がありました。量子断熱ステップをフォローしてきちんと理論的にきれいなままでやりたいところです。その際の細かい設定などは今後の汎用計算のほうがQAOAより優れています。
ハードが実現しつつある
いろんなこと言う人がいますが、ハードは誤り訂正が中心になってきていて、量子古典ハイブリッドは速くないという結論が出始めています。イオントラップにしろ、超伝導にしろ、ハードが着実に進んでいるので、汎用計算にとりかかりはじめてもいいでしょう。
今後は汎用計算
いよいよ組合せ最適化問題も汎用計算を学ぶ時期が来ました。ぜひ、時間発展を使いこなしましょう!