こんにちは、2022年を占ってみましょう。量子コンピュータ業界は激動ですよね。様々なニュースがありますが、今後どうなるのかを見てみます。
1,中国の台頭
これが大きいでしょう。すでに光量子、超伝導では中国が米国を圧倒し始めています。Google越えの超伝導量子ビット、誤り訂正の実現など米国ができていないことを実現しています。また光量子についても米国の開発に先駆けて大型マシンの開発ができているのが中国です。超伝導ベンチャー、光量子ベンチャー共に中国から多くの量子コンピュータ関連スタートアップも登場していますので、海外の最先端マシンは今後米国と中国になることがほぼ決まりです。
2,冷却原子マシンの登場
2021年にまだ登場しなかった複数の冷却原子と呼ばれる新方式の量子コンピュータが登場します。ColdAtom, Atom Computing, QuEra, Pasqalなどです。こちらの市場投入の本格化が2022年です。冷却原子では量子シミュレーションと呼ばれる用途での使用が考えられています。とても楽しみです。awsへの登場がアナウンスされています。
3,光マシンの躍進
2021年は複数の光マシンが世界で登場しました。米国のPsiQuantum、カナダのXanadu、中国のTuring、オランダのQuix、イギリスのOrcaなどが成果を出しています。光マシンのソフトウェアツールも着々と出始めているのでとても楽しみです。自分自身はやらないといけないことが多くあるので、光はあまりできないのですが、blueqatからBosoniQという光量子コンピュータ専門企業をスピンアウトしたのでそちらが楽しみです。世界でもソフトウェア分野での新しい試みなどを2022年の初頭には提供できそうなほか、光分野では様々な事業の開始がアナウンスできそうです。こちらは僕も第三者として楽しみたい分野です。
4,Rigettiの上場による株式市場の盛り上がり
2021年はIonQがNY証券取引所に上場しました。今度はRigettiが上場予定です。かなりスピード感のある感じですが、複数の量子コンピュータ企業が上場することでとても盛り上がりそうです。四半期決算を各社追っているだけでも結構大変ですよね。こちらは純粋にビジネス面で楽しみです。
5,誤り訂正がどんどん進む
Honeywell, IonQのイオントラップに続いて、中国では超伝導でも最近誤り訂正が実行されましたね。AQTでは汎用量子ゲートのフルセットが誤り訂正できたプレプリントも出てますので、2022年はさらに誤り訂正が加速することは間違いなさそうです。これも楽しみですね。
6,セキュリティ暗号の議論が進む
上記誤り訂正が進むほど、セキュリティ面においての量子コンピュータの議論がかなり強まります。2021年にも盛り上がりつつありましたが、2022年はさらにセキュリティ分野は議論が進むでしょう。
7,量子機械学習
現在ソフトウェアについては量子機械学習以外はあまり盛り上がっていません。2022年も引き続きソフトウェアに関しては量子機械学習が盛り上がることと思います。
8,シリコン型の登場
冷却原子マシンが市場投入と入れ替わりにさらに次の世代のシリコン量子ビットが少しずつ登場します。blueqatもこのシリコン型に今後は注力しますので、まだ市場投入は数年先ですが、かなり期待がわきます。
役者も技術もそろってきた気がします。2022年も量子コンピュータ関連のニュースには不足しない年になりそうです。自分たちも貢献できるように頑張りたいと思います。みんなで頑張りましょう。以上です。