量子コンピュータクラウドサービスの会員とビジネス需要について

こんにちは、年末年始に気が付いたことがあるので、忘れないうちにメモをしておきます。


量子コンピュータのサービスを展開してベンチャーとして起業したいと考えるのは普通ですよね。現在世界中でいくつかの量子クラウドサービスがあります。たとえば、IBMやStrangeworksやQCWareのForgeやblueqatやOrchestraなどです。世界中でさらにSDKベースのサービス展開として、Google CirqやAmazon Braket、Microsoft Azure Quantumなどがあり、それぞれが似たようなクラウドとSDKの組合せで勝負しています。あとはXanadu PennylaneやCambrige Quantum のtketなどです。


まず最初にblueqatは無料の量子コンピュータSDKとしてスタートしましたが、最初は収益化に苦労をしました。しかし2019年に量子クラウドを始めました。もちろん最初はサービスが伸びるはずがないもしくはGAFAには勝てないとさんざん言われましたし、今でもあまり支持はありません。しかし2021年を振り返ってみて、短期収益の高そうなサービスよりも最終的には量子クラウドを優先することになりました。現在まだ数字を発表する段階ではありませんが、blueqatのslackは2500名超、connpassは2500名弱、blueqat.comの会員登録はそれより少なく、1000名台です。サービス開始から見て取れるのは順調に右肩上がりの線形の増加で、サービス開始当初からかなり低調ですが少しずつユーザーが増えてきたことがわかります。


ARRはまだ数千万円ですが、今後は現在の値段は年額120-360万円程度のクラウドの単価をどんどん下げていく方針です。世界中で量子コンピュータはだんだんコモディティ化が進んでおり、ここ数年で年間数百万から数千万かかる運用コストはどんどん下がっています。それに合わせて参入するユーザー企業も増えています。


以前よりも量子コンピュータのユーザー数はもちろん増えており、産業としても無事立ち会がり世界中でエコシステムや産業団体が立ち上がっています。特に産業団体として日本とドイツが目立ち、アメリカは単一の団体がつよい傾向があります。


まだ年間数千万のARRだと企業単体として運営は難しいですが、今後中長期の戦いとなる量子コンピュータのサービス競争はすでにいくつかの海外ベンチャーも体力切れとなり、業界としては統廃合の時期に入ってきています。これは2017-2019年ごろにはやった量子コンピュータベンチャー企業への投資時期の一次の回収時期と被っているため妥当かなと思います。日本では少し遅れて2019年ごろに投資ブームがありましたので、2022-2023年ごろがつぎのターゲットとなるのではないでしょうか。


なぜSDK開発が大事かというと、それがそのままOSへとつながるわけですが、現状のSDKはほぼアセンブリ言語を開発しているレベルで大きなことはまだできません。また、ハードウェアの進捗も量子古典ハイブリッドから量子単体のFTQCへの道筋が順調にできており、単体での動作を想定したものが作られ始めており、今後はハイブリッドではないソフトウェアの構築が数年後から「始まる」予定となっており、まだまだ黎明期前の状態に戻ったような感じです。


それでもクラウドとして複数年で量子コンピュータへの参入と開発を継続する企業は開発を続けています。弊社でもそのような企業をサポートしつつ、体力切れを起こさないように予算配分に気を付けてアドバイスなどをしながら無理のない継続体制を構築できるようにサポートをしています。


現在blueqat.com では、イオントラップ、超伝導そして、光量子のサポートを開始しました。来年には冷却原子も登場予定です。また、光量子についてもまだまだユーザーが多くないですが、新しい展開を先取りし、新規の開発をもって他社に先駆けたツール開発を行っているため、まだ市場に登場していないマシンもサポート予定です。量子コンピュータの現状はかなり複雑で、Rigettiなどは3準位系なども研究しており、量子ビットの多値エンコードや光連続量など業界も多種多様な計算方式が混とんとしています。


最終的には汎用量子計算が見込まれますが、現状では位相推定などが盛り上がっている感じはしません。まだソフトウェアはNISQを引きずる形もしくはどちらにも属するような間を取るような開発が続けられています。


2024年にはこうしている間にも冷却原子の次となる市場投入の目玉である半導体量子コンピュータが登場予定です。ますます混迷を続ける量子コンピュータのハードウェア業界において、今後市場投入がされていないのは半導体とNVダイヤモンドくらいになってきました。


まだソフトウェアは実用化に程遠いですが、今のうちに学習をしておきたいという需要が高いのですが、順調に会員数が増えており、濃い密度で量子コンピュータに興味があるユーザーが順調にARRを支えて、遠い未来に結果が出るかもしれないというところまで来ました。ただ、今後の見通しを見ても早期に何かしらが成し遂げられそうな雰囲気はまだないので、地道に数年が溶けるような気の長いビジネスをする必要があるかもしれないというのはかなり忍耐力の必要なビジネスの一つであるかなと思います。ディープテックは同じような中長期の視点があると思います。途中から参入してきた企業にかっらわれていくかもしれませんし、今後どのような展開になるかわかりませんが、順調に会員数とARRを積み上げていくしかないなと考えています。


クラウドサービスをベースにしたビジネスモデルにおいて、一応ディープテックの量子コンピュータでも成立するのかなという見通しになってきたという感想が2021年末の感想でした。引き続きビジネスを地道に進めていこうと思います。個人的に思ったのは、会員登録数が右肩上がりであるうちは継続したほうがいいということです。横這いや減少だと大変ですが、右肩上がりのの場合は線形でも指数でもサービスを維持したほうがいいという知見です。以上です。

Yuichiro Minato
blueqat CEO/CTO 2015年総務省異能vation最終採択 2017年内閣府ImPACTプロジェクトPM補佐 2019年文科省さきがけ量子情報処理領域アドバイザー
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Yuichiro Minato
blueqat CEO/CTO 2015年総務省異能vation最終採択 2017年内閣府ImPACTプロジェクトPM補佐 2019年文科省さきがけ量子情報処理領域アドバイザー
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