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数万量子ビット時代へ:各国が競う“ワンチップ量子コンピュータ”開発戦略

Yuichiro Minato

2025/03/30 22:45

数万量子ビット時代へ:各国が競う“ワンチップ量子コンピュータ”開発戦略

近年、量子コンピュータの開発ロードマップが世界中で次々と発表され、いよいよ「数万量子ビット級」の時代が現実味を帯びてきました。中でも注目すべきは、量子ビットと制御回路を一体化し、スケーラブルに動作させるための**ワンチップ技術(SoC)**の進展です。

産総研とIntel、MOU締結でシリコン量子コンピュータの産業化に向けた連携を強化
「2030年前半までに産業利用可能なレベルの数万量子ビットのシステムの実現を目指します」
https://www.aist.go.jp/aist_j/news/au20250206.html

QuoblyとSTマイクロ、量子プロセッサの製造を加速する戦略的協力を発表
「2031年までに100万量子ビットの壁を突破し、製薬、金融、材料科学、気候や流体力学のシミュレーションを含む複雑なシステム・モデリングなど、幅広い応用を目標」
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP684345_U4A221C2000000/

SoCベースのワンチップ量子コンピュータへ

現在の最先端開発では、量子ビットと制御回路をチップレットとして分離設計するのではなく、最初から統合を前提としたSoC(System on Chip)アーキテクチャが主流となりつつあります。

このSoC型アプローチにより、量子演算、制御、信号処理がひとつのチップ内で完結し、配線の簡素化、信号遅延の低減、そして冷却効率の向上など、あらゆる面でスケーラビリティが向上します。将来的には、量産とコスト低減にもつながる技術です。

室温制御の限界と“冷凍機内制御チップ”の登場

従来、量子ビットを制御する機器や読み出し機器は室温で動作する電子回路で構成されており、極低温で動作する量子チップとは冷却ステージごとに分離されていました。
これが配線の複雑化、信号劣化、消費電力増大などの課題を引き起こしていました。

現在では、これらの制御・読み出し機器そのものを冷凍機内に設置できるよう設計された極低温対応制御チップが、各国で続々と開発・実用化され始めています。たとえばミキサーや増幅器、DAC/ADCなどが冷却段階に適応する形で統合されており、**“冷凍機内SoC化”**の流れが加速しています。

この動きにより、システムの集積度がさらに高まり、量子ビット数の拡張性が飛躍的に向上します。

冷却設備の進化と課題

シリコン量子ビットは、他の方式に比べて比較的高温(数ケルビン)でも動作可能であり、冷却設備の小型化と省電力化が期待されています。これは従来の超伝導方式とは一線を画す強みです。

ただし、冷却設備そのもののコストや性能には依然としてトレードオフが存在し、**“どこまで冷却設備を削れるか”と“安定した動作を維持できるか”**のバランスが今後の設計の鍵となります。

高純度シリコンウェハの商業化と加速

量子ビットの安定性と長寿命化には、高純度のシリコンウェハが不可欠です。特に雑音源となる不純物を限界まで排除したウェハは、コヒーレンス時間(量子状態を維持できる時間)の大幅な延長につながります。

最近では、これらの高純度ウェハが第三国での商業販売が開始され、研究や量産のフェーズを一気に加速させる材料供給の土壌が整いつつあります。

世界は今、“スケール勝負”へ

アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本――各国が1万~10万量子ビット級をターゲットにしたロードマップを発表し、開発競争は次のフェーズに突入しています。
量子アルゴリズムの進展とともに、ハードウェアのスケーリングは国家戦略に直結する最重要分野となりました。

まとめ:量子ハードウェアの覇権を握る3つのポイント

数万量子ビット時代を支えるコア技術は、以下の3点に集約されます:

  • SoC型ワンチップ設計:量子・制御・読み出しの一体化による高集積化
  • 冷凍機内制御チップ:室温制御の限界を突破し、冷却一体型アーキテクチャへ
  • 高純度シリコンウェハ:量子ビットの安定動作と長寿命化を支える素材革命

これらの進展によって、量子コンピュータは“研究室の装置”から“産業を支える基盤技術”へと進化を遂げようとしています。今後の鍵は、こうした技術を誰がいち早くスケールできるかにかかっています。

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