基礎研究から産業化へ:量子コンピュータの大転換
量子コンピュータは長い間基礎研究の領域でしたが、2025年は産業化への重要な分岐点となっています。これまでの研究室レベルの実験から実用化へと舵を切る中で、ハードウェアの「量産性」「小型化」「低価格化」が突如として重要なテーマとなってきました。
量産技術との融合がもたらす挑戦
弊社でも半導体をベースとした量子コンピュータの量産化に取り組んでいますが、この過程で気づいたのは興味深い事実です。量産を視野に入れると、これまでの量子コンピュータ開発の常識とは「真逆」の発想が必要になることがあります。基礎研究では許容されていた非効率性や複雑性が、産業化の段階では大きな障壁となるのです。
半導体産業の知見がもたらすブレークスルー
幸いなことに、半導体産業には既に量産技術と採算性を両立させるノウハウが蓄積されています。この既存技術を量子コンピューティングに応用することで、2025年には世界中で半導体量子技術の「垂直立ち上がり」が始まっています。特殊な研究施設だけでなく、様々な産業分野で量子技術の恩恵を受けられる時代が到来しつつあるのです。
新たな時代への展望
今後は「量産」がキーワードとなり、これまでとは全く異なる開発アプローチが主流となるでしょう。少数の専門家だけが扱える特殊な装置から、幅広い用途で活用される実用的なツールへ。この変革は量子コンピューティングの真の可能性を解き放ち、社会全体に新たな価値をもたらすことになります。
2025年は量子コンピュータの歴史において、基礎研究の時代から産業化の時代への転換点として記憶されることでしょう。