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[他社レビュー] CEAとQuobly による18.5μW/量子ビットのCryo-CMOS読み出し装置のデモンストレーション

Yuichiro Minato

2025/02/23 05:45

【サンフランシスコ – 2025年2月18日】CEA-Leti、FD-SOI CMOS技術を活用した超低消費電力・高スケーラビリティの量子ビット同時読み出し技術を発表

CEA-Letiは、Quobly、CEA-List、CEA-Irigとの共同研究により、FD-SOI CMOS技術を活用したマイクロ秒単位の量子デバイス同時読み出し技術を開発しました。本技術は、従来比消費電力を10分の1、占有面積を2分の1に削減することに成功。さらに、QuoblyのFD-SOI技術を活用した量子ビット開発戦略と組み合わせることで、低消費電力かつスケーラブルな量子集積回路の実現が期待されます。

FD-SOI CMOS

知らなかったので調べてみました。

FD-SOI(Fully Depleted Silicon-On-Insulator)CMOS技術は、低消費電力・高性能な半導体設計を可能にするシリコンチップの製造技術の一つです。通常のバルクCMOSと比較して、絶縁層(Buried Oxide, BOX)の上にトランジスタを形成することで、リーク電流を抑えつつ、より効率的な動作を実現します。

ということで、どうやらFin-FETの競合技術ですが、低消費電力が特徴のようです。今回のクライオCMOSでは性能を発揮しそうですね。

ISSCC 2025で発表された革新的な読み出し回路

ISSCC 2025にて発表された論文 「An 18.5μW/qubit Cryo-CMOS Charge-Readout IC Demonstrating QAM Multiplexing for Spin Qubits」 では、容量帰還型トランスインピーダンスアンプ(CTIA)をベースにした読み出し回路が提案されました。本回路は、1量子ビットあたり18.5μWの超低消費電力を実現し、従来技術と比較して消費電力を10分の1、占有面積を半減しました。さらに、**4点および16点の直交振幅変調(QAM)**を用いた読み出し手法を採用し、量子デバイス自体を変調器として利用することで、多重化可能なデバイスの数を増加させることに成功しました。

CTIA

知らなかったので調べてみました。

容量帰還型トランスインピーダンスアンプ(CTIA: Capacitive-Feedback Transimpedance Amplifier)は、光検出器や量子デバイスなどの微小電流を電圧に変換するための回路です。特に、低ノイズで高精度な信号変換が求められる量子コンピューティング、イメージセンサ、通信、センシングデバイスに広く利用されています。

どうやら電流を電圧に高精度に変換できるようです。

QAM

これも知らなかったので調べてみました。

**直交振幅変調(QAM: Quadrature Amplitude Modulation)**は、デジタル信号やアナログ信号を変調する方式の一つで、振幅(Amplitude)と位相(Phase)の両方を利用してデータを伝送します。QAMは、通信分野で広く使用される技術ですが、今回のCEA-Letiの研究では、量子ビットの読み出しを効率化するために活用されました。

4点は00から11までの4通り
16点は0000から1111までの16通りのようです。

FDM

QAMに対応する技術としてFDMがあるようです。これも知らなかったので書いてみます。

周波数分割多重化(FDM: Frequency Division Multiplexing)とは?
**周波数分割多重化(FDM: Frequency Division Multiplexing)**は、異なる信号をそれぞれ異なる周波数帯域に割り当て、一つの通信チャネルで同時に伝送する技術です。これは、アナログ通信やデジタル通信において広く利用される多重化技術の一つです。

画期的な低消費電力設計とスケーラビリティの向上

本技術では、CTIAを用いた電流-電圧変換により、量子デバイスからの電流を効率的に出力電圧へ変換。さらに、帰還ループ内の容量比調整によりゲイン制御が可能です。

また、1つの増幅器で複数の量子ビットを測定できる多重化戦略を採用し、消費電力を大幅に削減。これにより、シリコン量子ビットの読み出し回路を数千個規模に拡張する道が開かれ、配線のボトルネックや既存の極低温電子回路のスケーリング課題を克服することが可能となりました。

量子コンピュータの課題

量子コンピュータの実用化に向けて、特に課題となるのが室温環境での量子計算の読み出しです。現在の量子コンピュータでは、極低温環境で動作する量子ビットの状態を測定するために、高度な測定機器が必要となり、読み出しにかかる消費電力やスケーリングの課題が大きな障壁となっています。

今回の手法により、1つの増幅器で複数の量子ビットを測定可能となり、配線のボトルネックを解消しながら、より大規模な量子システムへの拡張が可能になります。従来の周波数分割多重化(FDM)に比べて、よりコンパクトかつ省電力なシステム設計が実現されるため、量子コンピュータの実用化に向けた重要な一歩となるでしょう。

我々の環境でFD-SOI技術を活用できるかどうかはまだ不明ですが、半導体を用いた量子計算の読み出し技術が着実に進化していることは確かです。今後、量子コンピュータのスケーリングや効率的な制御が求められる中で、こうしたチップベースの読み出し技術が標準化される可能性も十分に考えられます。

参照はこちらのウェブサイトから行いました。
https://quantumcomputingreport.com/cea-and-quobly-demonstrate-18-5μw-qubit-cryo-cmos-readout-with-qam-multiplexing-for-spin-qubits/

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