どんどんアプリが発達しますね。今回はGPUシミュレーションで量子ゲート計算で5000量子ビットのmaxcutをみてみます。
参考
Variational Quantum Optimization with Multi-Basis Encodings
https://arxiv.org/abs/2106.13304
ではいってみましょう。この論文のポイントはいくつかあります。
1,アルゴリズムはVQE
2,テンソルネットワーク
3,マルチ基底符号化
4,非線形活性化関数
VQE
QAOAは量子回路の深さが深すぎてNISQでは最近イオントラップ以外はVQEへの回帰が始まっています。今回はVQEですね。
テンソルネットワーク
GPUシミュレーションでテンソルネットワークを使っています。グラフ問題のハミルトニアンをMPOとして用意し、時間発展させた量子状態をMPSとして準備して期待値を直接求めます。
image : https://arxiv.org/pdf/2106.13304.pdf
マルチ基底
この論文独特ですね。1量子ビットにグラフ問題の2ノード持たせるためにXとZの両方の軸を使っています。これによって1量子ビットでノードを倍にできて、ハミルトニアンはZZ,XX,XZと接続をかなり工夫しています。
image : https://arxiv.org/pdf/2106.13304.pdf
非活性化関数
これの変分角度を更新するためにtanh(x)をつかっていました。結構珍しい更新方法なので気になります。ちなみに量子回路はRYとCZで構成されていました。
まとめ
結構maxcutという簡単な問題なのでansatzも簡単になっているのかもしれませんが、5000量子ビットの量子ゲート計算ができるというのはかなり夢があります。今度どのくらいのサイズまで行くのか楽しみです。以上です。