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IBMQと金融計算

Yuichiro Minato

2021/02/02 06:27

#量子ゲート

はじめに

2020年blueqatに会社名を変えました。また、IBMQネットワークメンバーとして、IBM情報も伝えていきます。

IBMQ?

米国のIBM社が提供する量子コンピュータのサービスです。

https://quantum-computing.ibm.com/

未来の量子コンピュータの実機と、量子コンピュータのシミュレータを併用できます。

ツール

IBM社はQiskit(キスキット)と呼ばれる量子コンピュータ向けのツールを提供しています。手元のPCに導入することで、シミュレータと実機への接続を実現できます。

プログラミング言語

言語はpythonです。

サーキットコンポーザー

量子回路を作成することができます。通常はプログラミングを使いますが、IBMQではマウスでも使うことができます。便利です。

実機

サーキットコンポーザーもしくはQiskitを使って実機の計算ができます。その時に利用できる実機のマシンはチップによって違いますので、選んで利用します。

アプリケーションと学習とハイブリッド

通常学習は基礎的なところからスタートします。一方で金融計算のようなものは応用編なので利用の仕方がかなり違います。

通常IBMQでは、量子コンピュータに命令を投げるときには1回の命令で1つの作業をします。

金融計算などで利用されるハイブリッドシステムは、量子コンピュータと古典コンピュータを交互に利用する必要があるため、一般の利用者にとっては敷居が高く、実質的にシミュレータを利用します。

ハイブリッドシステムを学習したいという要望以外は汎用アルゴリズムと呼ばれる大学の教育で利用される方を学ぶのが無難でしょう。

アルゴリズム、金融むけ

量子化学ではVQEと呼ばれるハイブリッドアルゴが利用されますが、金融では、

VQE(Variational Quantum Eigensolver)

QAOA(Quantum Approximate Optimization Algorithm)

QAE(Quantum Amplitude Estimation)

QML(Quantum Machine Learning)

が主なアルゴリズムになります。どれも似ているのですが、特に上の二つはほぼ同じアルゴリズムです。

金融では取引の最適化にQAOA、モンテカルロシミュレーションはQAEが利用されます。JPMorgan,Goldman Sachsなどの投資銀行は後者のアルゴリズムを積極的に利用しています。今後はQMLも利用できるかも知れません。

今回はIBMQに限って紹介をしたいと思います。

英語ブログ

IBMの英語ブログで金融に触れているものを見て見たいと思います。

https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/report/exploring-quantum-financial

Quantum computing’s specific use cases for financial services can be classified into three main categories: targeting and prediction, trading optimization, and risk profiling.

ここに書いてあるのは、ターゲティングと予測、取引最適化とリスクプロファイリングと書いてあります。具体的な手法に関しては言及がされていないので、それぞれどのようなアルゴリズムが対応するのかを、見ていきたいと思います。

ターゲティングや予測とQML

ターゲティングや予測は、詐欺の検出や顧客要望へ答えるために効率的に量子機械学習を使いましょうということになります。データの扱い方を覚えて量子機械学習を高度に今後使いこなす必要があるという主張です。

こちらのQMLはいろんなモデルが提案されていますが、まだ実用的には利用はできないので、研究的な要素は相変わらず強そうです。

最適化とQAOAやGrover

複雑化される取引が最適なパスでない場合には無駄が出ます。それらを最適化することで金融機関は利益を増やすことができます。また、資産が様々な要因で組み直しをする必要がある場合には、組合せ最適化問題と呼ばれる類のものに関して、QAOAやGroverのアルゴリズムが利用できます。

ポートフォリオ最適問題は有名なもので量子コンピュータでも度々トライされています。

リスク計算などモンテカルロとQAE

リスク計算やデリバティブ計算はQAEが利用できます。既存のモンテカルロを効率化する手段としてQAEが提案されています。

計算量が明確に減るという予想のもとに、シミュレーション手段として有望視されています。

具体例

有名なのはJPMorgan Chase、MUFG/みずほだと思います。

Barclays

Quantum Algorithms for Mixed Binary Optimization applied to Transaction Settlement

https://arxiv.org/abs/1910.05788

取引の最適化をQAOAでやってます

MUFG/みずほ

Amplitude estimation without phase estimation

https://arxiv.org/abs/1904.10246

モンテカルロ計算の評価部分に量子フーリエ変換を利用しないものを使っています。

JPmorgan Chase

Option Pricing using Quantum Computers

https://arxiv.org/pdf/1905.02666.pdf

QAEでオプション計算

Optimizing Quantum Search Using a Generalized Version of Grover’s Algorithm

https://arxiv.org/pdf/2005.06468.pdf

グローバー

Grover Adaptive Search for Constrained Polynomial Binary Optimization

https://arxiv.org/pdf/1912.04088.pdf

最適化計算

様々なものが提案されています。

チュートリアル

結構いろんなチュートリアルがあるので、今後はこれを見ていくのもいいですね。

https://qiskit.org/documentation/tutorials/finance/index.html

まとめ

量子金融は限られているのですが、体系的に学ぶのは可能な状態です。IBMQではチュートリアルも豊富なので、是非やって見てくださいませ。

では、良い量子コンピュータライフを!

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